クリエイティビティを高めるために制約を活用しよう

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制約でクリエイティビティを発揮できる

今回はクリエイティビティを高めるために制約が活用できることについて解説します。

制約なんて作ったら創造性を妨害すると思うかもしれません。しかし逆に色々考えられる中でどう決めて行けばいいのか、どんな選択肢を取れるのかなどは制約によって決まってきます。よって制約があると色々な選択肢の中から絞れるようになるのです。

今回はアイディアを出すことや発想方法などに悩む方、クリエイティビティを高めたいという方向けに、制約を活用すればアイディアを出せるようになることを解説します。

制約がないと逆に困る

建築には制約が必要

有名な建築家が、制約がある方がクリエイティビティが高まると言ったそうです。

例えばどんな土地かという制約なしにとりあえず建物を建てていいよと言われたらどうしましょう?土地が決まっていない、用途も決まっていない中で何を建てろというのでしょう?理想の建物を建てるのはありですが、建てたところで誰が使うのでしょうか?

こう考えると、建物を建てるときには土地の形や面積、建物の用途などの条件が必要ということになります。これらは要件であると同時に制約にもなります。

三角形の土地に建物を建てるケースで考えてみる

例えば三角形の土地しかありませんでした。でも家を建てたいですというケースを考えてみましょう。三角形の土地というのは制約です。本当は四角形の土地の方が設計も施工もやりやすいでしょう。多くの建物が四角形なわけですから。

しかし三角形だからこそ選択肢を絞り込むことができます。三角形だと斜辺に当たる箇所の面積を広くできます。これを活かして日を大きく取り込むとか(斜辺の部分が南側にある場合に限りますが)、壁面に何かを飾ると言うアイディアもありだと思います。

三角形の土地に建物を建てるという制約
三角形の土地に建物を建てるという制約があると、斜辺の部分で光を取り込むという発想が出ます。

このように制約が決まると、それに合ったアイディアを出せるようになりますし、アイディアの方向性や選択肢が絞れてきます。これが制約がクリエイティビティを高める理由です。

作曲における制約の効果

作曲は制約を設けて行う

建築の次は作曲で考えてみましょう。こちらも創造性がものを言うカテゴリーですね。

自由に何でもいいから曲を作ってくださいと言われたらどうしましょう?たとえコンテストでもこういうテーマの曲を作ってくださいというお題はあると思います。

作曲をする際もコンセプトやテーマというものを決めます。コンセプトやテーマが制約となり、制約に沿ってアイディアを出して作品を作っていくことになります。

コンセプトを決めて、それに沿って固めていくというやり方についてはこちらを参考にしてください。

制約が決まれば具体的なことが決まっていく

曲のコンセプトを決めたら、それに合った雰囲気を出せるキーやコード進行、使う楽器、モチーフとなるフレーズなどを決めます。キーが決まれば使える音が決まります。基本的にはキーによって使える7つの音が決まります。つまり制約そのものですね。

コード進行が決まれば、曲の流れる雰囲気や各小節でよく使う音が決まります。コンセプトによって使う楽器がアコースティック楽器だったり、電子音の打ち込みだったり、オーケストラだったりします。

モチーフとなるフレーズは変化させながら色々な個所で使われたりします。ポップミュージックやロックなど現代音楽なら主にイントロやサビ、間奏のソロですね。

コンセプトやテーマを決めれば、それに合わせて選択肢が絞り込まれていきます。コンセプトやテーマは創作における制約なのです。

だからどんなアイディアを出していいか解らないときや、そもそもアイディアが出ないときは、制約を決めてみることが有効な手段です。ここでも制約がクリエイティビティを高めるのです。

デザインにおける制約の効果

デザインも制約が必要

デザインにおいても制約は効果を発揮します。例えばテーマカラーやターゲット、媒体などです。もしこれらが全く決まっていなかったら、何でもありで何にすればいいのか解りません。つまりデザインにおいても制約がクリエイティビティを高めるのです。

制約があればデザインの方向性が見えてくる

目的がエネルギッシュなイメージの商品の宣伝、あるいはコーポレートカラーが赤の会社の宣伝だと決まったとしましょう。それなら赤をメインカラーとして配色すればいいということになります。緑や青、紫などを使うと、目的と大きく違うイメージになってしまいます。

ターゲットがアウトドア好きなら、山や森をイメージするような色、自然の風景やアウトドアスポーツの写真を使うというアイディアを思いつきます。これらはターゲットという制約が決まったから出てくるアイディアです。

デザインにおいても、決めるべきことを決めることで制約となって、アイディアが絞り込まれていきます。そしてテーマやターゲットなど制約となる項目が存在するのです。デザインにおいても制約はクリエイティビティを高めるのです。

終わりに

今回は制約がクリエイティビティを高めるという観点で、制約の効果について書いてきました。

実際の仕事では特に大きな制約は予算、納期、人員(主にマンパワー的な意味)の可能性が高いと思います。予算がないならローコストな表現方法や材料選択、納期が限られているなら細かいところまで手の込んだことはできないなどの制約が出てきます。

アイディアを出すのは大変です。思いつくことも大変ですが、目的に沿ったことを思いつくことが大変ですし、思いついた中でどれを選ぶかも大変悩ましいことです。だから制約を決めることで絞り込んでいく方が前に進んで行きます。

アイディアや発想方法で悩んだときは制約を決めて、制約の力を活用してみてください。

クリエイティビティに関してはクリエイターから考え方を学ぶのも一つの手です。私はデザイン雑誌やデザイン書を読んで、デザイナーの考え方を学んでいます。書店で探すのが面倒なときは楽天ブックスで買っています。楽天ブックスなら税込3,980円以上の購入で送料が無料だからです。

悩んだらまずは既存の知識や考え方にヒントを探すのもいいです。一人で抱え込んでも何も出てきませんので。

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