使用期間に応じて資産の価値を減らす|減価償却の練習問題

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減価償却の練習問題

前回は減価償却について解説しました。今回は練習問題を出します。

耐用年数については国税庁のWebサイトに表がありますので、それを参考にしてください。

https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensuhyo.html

練習問題

練習問題1

A社は木造の店舗を3,300万円で建てました。残存価額はなし、定額法で減価償却する場合の減価償却費を計算してください。

練習問題2

B社は食品メーカーです。新設備を5,000万円で導入しました。耐用年数が過ぎたら500万円で売却予定です。定額法で減価償却する場合の減価償却費を計算してください。

練習問題3

C社は土地を3,000万円で購入して、本社ビルを鉄骨鉄筋コンクリートで建設しました。本社ビルの建設費は1億140万円です。定額法で減価償却する場合の減価償却費を計算してください。

練習問題4

D社は社用車を購入しました。この社用車は中型車で新車です。価格は300万円でした。定率法で減価償却する場合の減価償却費を計算してください。

解答と解説

それでは解答と解説を見てみましょう。念のため、もう一度国税庁のWebサイトのURLを掲載しておきます。

https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensuhyo.html

注意点として、耐用年数は変わる可能性がないとは断言できません。ここでは2021年3月時点の耐用年数で計算しています。

練習問題1の解答・解説

国税庁のWebサイトによると、木造の店舗・住宅の耐用年数は22年です。よって減価償却費は…

減価償却費=33,000,000÷22=1,500,000(円)

練習問題2の解答・解説

国税庁のWebサイトによると、食料品製造業用設備の耐用年数は10年です。残存価額が500万円あることに注意します。よって減価償却費は…

減価償却費=(50,000,000-5,000,000)÷10

      =45,000,000÷10=4,500,000(円)

練習問題3の解答・解説

国税庁のWebサイトによると、鉄骨鉄筋コンクリートの事務所の耐用年数は50年です。土地は非償却性資産であることに注意し、減価償却費の計算から除きます。よって減価償却費は…

減価償却費=(101,400,000-30,000,000)÷50

      =71,4000,000÷50=1,428,000(円)

練習問題4の解答・解説

国税庁のWebサイトによると、運送・乗合・報道などの特定用途に該当しない新車の耐用年数は6年です。問題文には定率法で減価償却すると書かれています。よって減価償却費は…

経過年数減価償却前の帳簿価額減価償却費減価償却後の帳簿価額
13,000,0001,000,0002,000,000
22,000,000666,6671,333,333
31,333,333444,444888,889
4888,889296,296592,593
5592,593197,531395,062
6395,062131,687263,374
300万円の新車を定率法で減価償却する例

定率法の場合、改定償却率と保証率を調べる必要があります。そして取得価額×保証率=償却保証額を計算する必要があります。償却保証額が解ったら、減価償却費が償却保証額を下回ってしまった年から改定償却率を使います。

定率法による減価償却は面倒なことが多いので、Excelで計算するのが楽です。私が計算した例を掲載します。

新車を定率法で減価償却する例
練習問題4は300万円の新車を定率法で減価償却する例です。定率法はややこしいのでExcelを使うとよいです。

終わりに

実は私も定率法の計算がよく解っていませんでした。仕事では会計ソフトの固定資産台帳を使っていましたし。そんなわけで国税庁のWebサイトにある計算例をかみ砕いてみたのです。

定額法はイメージが付きやすいので難しくありませんが、定率法は難しいですね。でも考え方だけ理解しておけば十分でしょう。難しい計算は会計ソフトがやってくれますので。

簿記などの資格試験を受ける場合は、頑張って手計算して練習してください。計算問題ですので、反復練習が大事です。

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