事業毎の採算性の計算ができるようになろう|セグメント別貢献利益の練習問題

前回はセグメント別貢献利益について解説しました。セグメント別貢献利益が計算できるようになれば、事業や製品、地域などの単位で採算性を計算できます。
前回は解説だけで終わってしまったので、今回は練習問題と解説です。そんなに難しくない計算ですので、Excelや電卓などを使ってセグメント別貢献利益の計算を練習してみてください。何度も言っていますが、会計は数学のように何度も計算をして慣れることが大事ですよ。
練習問題
架空の会社を4社出しますので、計算してみましょう。
練習問題1
A社は3つの事業を持っています。各事業の売上高・変動費・固定費は下記のようになっています。各事業の貢献利益を計算してください。
科目 | X事業 | Y事業 | Z事業 |
---|---|---|---|
売上高 | 5,000 | 1,500 | 3,300 |
変動費 | 2,000 | 350 | 1,500 |
固定費 | 2,000 | 800 | 1,350 |
練習問題2
B社は4カテゴリーの製品を販売しています。各事業の売上高・変動費率・固定費は下記のようになっています。各製品カテゴリーの貢献利益を計算してください。
科目 | 家電 | PC | 家具 | アクセサリー |
---|---|---|---|---|
売上高 | 15,000 | 7,000 | 11,500 | 6,000 |
変動費率 | 70% | 75% | 60% | 50% |
固定費 | 3,000 | 1,000 | 3,500 | 1,400 |
練習問題3
C社は4つの地域で展開しています。各地域の去年の売上高・変動費率・固定費は下記でした。
科目 | 新宿 | 横浜 | 大阪 | 名古屋 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 10,000 | 7,000 | 6,500 | 6,000 |
変動費率 | 70% | 70% | 60% | 60% |
固定費 | 2,000 | 1,300 | 1,000 | 900 |
C社の今年の売上高は下記のようになっています。貢献利益を計算してください。ただし変動費率と固定費は変わらないものとします。
科目 | 新宿 | 横浜 | 大阪 | 名古屋 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 12,000 | 8,800 | 7,600 | 6,900 |
練習問題4
D社は3つの業態を展開しています。各業態の去年の売上高・変動費・固定費は下記でした。
科目 | カフェ | レストラン | 居酒屋 |
---|---|---|---|
売上高 | 4,000 | 9,000 | 11,000 |
変動費 | 920 | 3,780 | 3,740 |
固定費 | 1,500 | 3,000 | 3,500 |
D社の今年の売上高は下記のようになっています。貢献利益を計算してください。ただし変動費率と固定費は変わらないものとします。
科目 | カフェ | レストラン | 居酒屋 |
---|---|---|---|
売上高 | 4,500 | 10,000 | 8,000 |
解答と解説
それでは解答と解説です。用語や計算式がよう解らん!という場合は、前回の講義を参考にしてください。
練習問題1
練習問題1は計算するだけです。貢献利益=売上高-変動費-固定費です。
科目 | X事業 | Y事業 | Z事業 |
---|---|---|---|
売上高 | 5,000 | 1,500 | 3,300 |
変動費 | 2,000 | 350 | 1,500 |
固定費 | 2,000 | 800 | 1,350 |
貢献利益 | 1,000 | 350 | 450 |
練習問題2
練習問題2は変動費の代わりに変動費率が与えられています。計算がひと手間多くなります。変動費=売上高×変動費率です。
科目 | 家電 | PC | 家具 | アクセサリー |
---|---|---|---|---|
売上高 | 15,000 | 7,000 | 11,500 | 6,000 |
変動費率 | 70% | 75% | 60% | 50% |
変動費 | 10,500 | 5,250 | 6,900 | 3,000 |
固定費 | 3,000 | 1,000 | 3,500 | 1,400 |
貢献利益 | 1,500 | 750 | 1,100 | 1,600 |
練習問題3
練習問題3はちょっと引っ掛けです。変動費率と固定費は変わらないとのことですので、今年の売上高から変動費を計算し、固定費を引きます。
科目 | 新宿 | 横浜 | 大阪 | 名古屋 |
---|---|---|---|---|
今年の売上高 | 12,000 | 8,800 | 7,600 | 6,900 |
変動費率 | 70% | 70% | 60% | 60% |
変動費 | 8,400 | 6,160 | 4,560 | 4,140 |
固定費 | 2,000 | 1,300 | 1,000 | 900 |
貢献利益 | 1,600 | 1,340 | 2,040 | 1,860 |
練習問題4
練習問題4はより一層厄介です。変動費率と固定費は変わらないとのことですので、まずは去年の売上高から変動費率を計算します。それから今年の変動費を計算します。その後に売上高-変動費-固定費を計算すれば、貢献利益が出ます。
科目 | カフェ | レストラン | 居酒屋 |
---|---|---|---|
去年の売上高 | 4,000 | 9,000 | 11,000 |
去年の変動費 | 920 | 3,780 | 3,740 |
変動費率 | 23% | 42% | 34% |
今年の売上高 | 4,500 | 10,000 | 8,000 |
今年の変動費 | 1,035 | 4,200 | 2,720 |
固定費 | 1,500 | 3,000 | 3,500 |
貢献利益 | 1,965 | 2,800 | 1,780 |
終わりに
4社4様の練習問題を出してみました。リアリティがある数字かどうかというと、ちょっと微妙ですが、計算には慣れましたでしょうか?
セグメント分けとセグメント別貢献利益の計算ができるようになれば、経営管理は一歩前進します。ぜひ身に付けてみてください。