指示待ち部下に悩む方へ|マネジメントのプロが教える部下を主体的に変える方法

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指示待ち部下に悩む方へ部下を主体的に変える方法

部下が指示待ちという悩みはビジネス誌やビジネス情報サイトでよく見かけます。また私が個人的に支援している経営者からも聞きます。よくある悩みなのでしょう。

しかし部下が指示待ちになる理由は存在しますし、部下に主体的に動いてもらう方法も存在します。

私自身が長年マネジメントに携わってきた経験から、それらについて書きます。ちなみに私はマイクロマネジメントが大嫌いなので、信じて任せるというやり方です。

これで困ったことはありません。細かい指示を出さずとも勝手に仕事が進んでいくので、とても効率的です。

部下が指示待ちで言われなきゃ何もしてくれないと悩む経営者や管理職の方の参考になれば幸いです。

指示待ち部下とは

指示待ち部下とは言われるまで待ち、言われたことしかやらない部下を差します。

この記事を読んでいるあなたなら日常的に悩み、不満を感じているものでしょう。

指示待ち部下の逆は、主体的な部下です。すなわち自分から提案してくれるし、言われるまで待つのではなく、自分から聞いてきます。

部下が指示待ちでは一々指示を出すことになるので、上司の仕事が進みません。また指示待ち部下は自分で判断できないので、一々上司が判断してあげなければいけません。

これではとても効率が悪いです。

部下が指示待ちになる理由

情報不足

仕事をする上で必要なものは知識やスキル、技術などです。しかしこれだけではどれほど優秀な人でも仕事できません。情報が必要不可欠なのです。

どんな会社でも、どんなプロジェクトでも、そこ独自の情報が沢山存在しています。これがないと何をすべきかとか、何を基準に決めていいかが解らないのです。

方針が不明確

上司が目指す方向を明確にしていないことはよくあります。それゆえ上司が幾度も方向転換してブレまくっていることをよく見かけます。

これでは部下はどこを目指していいのか解りませんので、上司が一々指示を出さないと部下は動けません。

それに目指す方向が解らずブレまくっていていは、部下はモチベーションも出ません

失敗を許容しない

最近は減っているでしょうけど、ありがちな理由が失敗を許容しないことです。失敗したり間違えたりすると説教される場合は、部下は指示待ちになります。

余計なことをするよりも上司に言われたことだけをやった方が安全だからです。

知識やスキルが足りない

知識やスキルが足りない場合、部下は自力で仕事を進められません。また現在のスキルに対して与えられた仕事の難易度が高すぎると、モチベーションも下がります。

このような場合は部下は指示待ちになってしまいます。

上司が上下関係を意識している

「俺の方が立場が上なんだから言うことを聞け」という態度では、部下はモチベーションが出ません。

部下は「面倒な上司だから言われたことだけやっていればいいや」という考えになります。

ここで本を1冊紹介します。人はやれという態度では動きません。それがこの本に書かれていますので、部下が思い通りに動いてくれない方は読んでみてください。

人を動かす文庫版 [ デール・カーネギー ]

元々受け身な人である

残念ながら元々受け身な人もいます。言われたらやるけど、言われなきゃ面倒だからやりたくないという人です。

こういう人たちはルール化された仕事をやってもらうか、本人が夢中になれる仕事に移ってもらうのがよいです。

部下を主体的に変える方法

情報共有を行う

先ほども書いた通り、会社もプロジェクトも独自の情報があります。そして情報があることでやることや判断基準が解ります。

よって上司が部下に情報共有することで、部下もやるべきことや判断基準が理解できるようになります。部下に状況共有をしつつ、やるべきことも共有しましょう。

そして判断基準については毎回話すことで徐々に慣れてもらい、自分でも判断できるようになってもらいましょう。

私がどういう考えで情報共有しているかを記事にしています。是非こちらを読んでみてください。

方針を決める

方針すなわち部署やプロジェクトなどが目指す方向性を決めましょう。

方針は判断基準になります。選択肢が複数個出てきた場合、方針に沿っているかどうかで決めます。

私の場合は自分のプロジェクトのコンセプトを決めています。そしてコンセプトに沿っているかどうかで判断します。良さそうなアイディアでもコンセプトに沿っていなければ却下します。

詳細はこちらの記事の判断軸(コンセプト)がないの項を読んでみてください。

心理的安全性を確保する

心理的安全性を確保することで失敗が許容され、自分らしくいられる文化ができます。すると部下は失敗を恐れずに行動しても、自ら意見を言っても大丈夫だと感じます。

部下にチャレンジしてもらい、提案もしてもらうためにも、心理的安全性をしっかりと確保しましょう。

そしてそれには上司のマインドセットを変える必要もあります。こちらの記事に心理的安全性を確保する方法を書いていますので、是非読んでみてください。

知識やスキルを教える

自分が部下に教えられることは教えてあげましょう。自分が教えられないことは、社内で知ってそうな人を探しましょう。

部下に教えることは投資です。教えることで部下は徐々にスキルが上がり、自力で仕事を進められるようになっていきます。いずれは上司の仕事が減って楽になります。

教える労力を惜しむ必要はなく、むしろ後で得するから積極的に教えようというのが私の考えです。

こちらの記事に部下や後輩の育成について書いていますので、是非読んでみてください。

同志とみなす

目的・目標を話し、情報共有を行うことで、部下に対して一緒に仕事する同志というイメージを持たせることができます。

部下が自分は言われたことをやる立場だと思っている限りは、指示待ちの姿勢が変わることはありません。

しかしこの上司は違うと思ってもらえれば、部下も仕事がしやすくなります。

部下を下の立場として扱うのではなく、一緒に目標に向かって頑張る仲間として接しましょう。

終わりに

今回は指示待ち部下に悩む方のために、私自身が長年マネジメントをしてやってきたことを解説しました。

心理学に返報性の法則というものがあります。上司の部下に対する態度で部下の仕事ぶりも変わります。

今回挙げたことを実践して、是非とも部下が進んで仕事を進められるようになってください。

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