クリエイティビティを高めたければインプットなくしてアウトプットなしと心得よ

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インプットなくしてアウトプットなし

今回はクリエイティビティにおけるインプットの重要さについて解説したいと思います。

クリエイティビティを高める上でよく知っておいて頂きたいことがインプットです。無から有は生まれません。インプットなくしてアウトプットはないのです。

クリエイティビティを高めたいならば、まずは作りたいものに必要なインプットを探し求めるところからがスタートです。

また日頃から色々な人と話したり、色々な本を読んだり、色々な場所へ行ったりして、インプットを増やすことも大事です。

今回はクリエイティビティを高めたい、クリエイティブになりたいという方のために、クリエイティビティにおけるインプットの重要さを解説します。そしてインプットを増やすためにできることを解説します。

Contents
  1. クリエイティビティの定義
    1. クリエイティビティは発想力やアイディアを形にする能力
    2. クリエイティビティの例
  2. クリエイティビティの重要性
    1. 新しいものを生み出すことが重要な時代になっている
    2. 仕事の問題解決に役立つ
  3. インプットの重要性
    1. インプットなくしてアウトプットなし
    2. 無から有は生まれない
    3. センスという言葉に弊害がある
    4. イノベーションは新結合である
  4. アウトプットの重要性
    1. 発想して作るまでがクリエイティビティ
    2. アイディアの良し悪しを判断するのにアウトプットが必要
  5. インプットを増やすためにできること
    1. 参考資料を集める
    2. 知識を仕入れる
    3. 身の周りにあるものから学ぶ
    4. 異分野のものを取り入れる
    5. 偶然の発見からアイディアを得る
    6. バカバカしいと思うことでも試してみる
    7. 日常で見かけたものからアイディアを得る
  6. 終わりに

クリエイティビティの定義

クリエイティビティは発想力やアイディアを形にする能力

クリエイティビティは一般的には日本語にすると創造性になります。

クリエイティビティは一般的にはアイディアを思い付く発想力や、アイディアを形にする能力を指すことが多いです。この記事でもこれら2つの能力をクリエイティビティとして話を進めます。

多くの方にとってはアイディアを思い付く発想力は魅力的で、ぜひとも欲しいものかもしれません。公私ともに生活においては悩ましい問題がいくつも発生するからです。

しかしいいアイディアを思いついても、実行したり、形にしたりできなければ役に立ったと言いづらいでしょう。

クリエイティビティの例

例えば新製品のいいアイディアを思いついた場合を考えてみましょう。アイディアだけあっても、作ることができなければいけません。

例えばチョコタップリの濃厚なプリンを作った美味しそうだと思いついたとします。しかしプリンを作る方法とプリンをチョコ味にする方法、さらにはチョコの割合が多いプリンを作る方法を思いつかなければ実現できません。

こう考えると、アイディアという何をやるか(What)と技術的な実現方法(How)の両方が揃ってこそ、新しいものやいいものが実現すると考えられます。

他にも例を考えてみます。例えば掃除嫌いの人が掃除を定期的にサボらずやりたいと悩んでいるとしましょう。

このときアイディアという面では、次のようなことが考えられます。

  • ご褒美を用意する
  • 毎月決まった週の決まった曜日を掃除の日にする
  • 完璧さを求めない
  • 家事代行サービスを使う

しかしこれだけで定期的に掃除を続けられるでしょうか?そこでこれらのアイディアを実現可能にする方法も考える必要があります。

アイディア実現方法
ご褒美を用意するご褒美を何にするか?
入手しやすくて好物であると望ましい。
例えば甘いもの好きで近所にケーキ屋があれば、
そこでケーキを買うなど。
毎月決まった週の決まった曜日を
掃除の日にする
毎月最初の日曜日、毎月最後の土曜日、
給料日の次の土曜日を掃除の日にするなど。
完璧さを求めない特に目立って汚れているところだけ掃除するなど。
家事代行サービスを使うお金がかかるので、給料が入ったら家事代行サービスを頼む、
ボーナスがある月だけ家事代行サービスを使っていいなど。
掃除を定期的にサボらずにやるために思いついたアイディアを実現する方法の例

クリエイティビティの重要性

新しいものを生み出すことが重要な時代になっている

クリエイティビティが重要と言われる理由としてよく挙げられるのが、新しいものを生み出すことが重要な時代になっているということです。

20世紀と違い21世紀はモノが足りている時代です。それゆえ今までにない新しさがある製品でなければ売れなくなってきています。

新規事業や新製品・新サービスを生み出す必要性があるため、クリエイティビティが重要と言われます。

仕事の問題解決に役立つ

仕事では悩ましい問題がいくつも発生します。そんなときクリエイティビティが役立ちます。

悩ましい問題が発生したときに、いいアイディアが出ないということはありませんか?クリエイティビティが高ければ、いいアイディアが出ますし、アイディアを実現する上手いやり方も思い付きやすくなります。

つまりクリエイティビティを高めることで、仕事で悩ましい問題が発生したときに役立つのです。

インプットの重要性

インプットなくしてアウトプットなし

まず最初にクリエイティビティを高める上で知っておいて欲しいことが、インプットなくしてアウトプットなしということです。

人間は持っている知識や経験を組み合わせて考えます。知識や経験などはアイディアを考えるときにはインプットとなります。料理で言えば食材です。そしてこれらを上手く組み合わせたり加工したりしてアウトプットを出します。料理で言えば調理法(煮る、焼く、炒めるなど)です。

つまりインプットがなければ食材なしで料理を作るようなもので、何も作れないという落ちです。だからこそインプットなくしてアウトプットなしと心得てください。

無から有は生まれない

クリエイティビティが高い人やセンスがあると言われている人は、次々に発想が出てくるように見えます。プロのクリエイターは一般人が思いつかないアイディアを出して作品を作ります。

一般的にプロのクリエイターが凄いアイディアを出せるのは、センスと呼ばれる実態が不明で特別な才能があるからと言われています。しかしそれは間違いです。

プロのクリエイターはセンスと呼ばれる実態が不明で特別な才能があるから凄いアイディアを出せるではありません。膨大なインプットがあるから凄いアイディアを出せるのです。

まずは作りたいものに合わせて必要な知識や情報を集めることが先決です。具体的にどうしていいか解らない場合は、参考事例を探すのも手です。

例えばあなたがお店をオープンして、紹介動画を作りたいとします。うんうん唸って作るよりは、まずお店の紹介動画ってどうやって作っているんだろう?とYouTubeで参考事例を検索した方が速いのです。ただしパクリはいけません。やり方を参考に、自分なりに色々手を加えてみるのです。

アウトプットとはこのようにインプットをして初めて出るのです。経験値が多くなると、すでに知識や情報のストックがあるため、インプットなしでアイディアが沢山出てくるように見えるのです。そういう人たちも実は今までにインプットを沢山しています。

無から有は生まれない
アウトプットを出すためにはインプットを集めて編集する必要があります。インプットがなければアウトプットは出ません。

センスという言葉に弊害がある

科学が発展する前は、人類は原理が理解できない事象を神や怪物、妖怪の仕業と捉えていました。

センスも同様です。なぜそういうアウトプットが出せるのか解らないから、あの人は特別な才能があるという意味でセンスという言葉を使います。しかし雑誌に出てくるような有名クリエイターの中には、センスは才能ではなく知識だという方もいます。

このセンスという言葉が弊害をもたらしていると私は考えています。持って生まれた才能がないとできないというイメージを植え付けるからです。

クリエイティビティは後天的に鍛えられます。アウトプットを出すための方法が存在するからです。私がこれからそれを紹介していきますので、自分にはクリエイティビティがないと感じている方も安心してください。

ちなみにこのセンスは知識と言っているデザイナーは著書があります。私も読みましたが、デザインとブランディングの考え方が解ると同時に、センスに関する話も解りやすく解説されていました。

「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義【電子書籍】[ 水野学 ]

イノベーションは新結合である

イノベーションの定義

新しいものを生み出すという意味で、最近はイノベーションという言葉がよく使われるようになりました。

イノベーション論の先駆者にシュンペーターという学者がいます。シュンペーターはイノベーションは新結合であると言いました。既存のものに新しい組み合わせを適用すると新しいものができるというのです。

イノベーションは新結合
シュンペーターによれば、イノベーションは既存のものの新しい組み合わせです。突然未知の技術や方法が現れるわけではないのです。

シュンペーターなどイノベーション論で有名な学者の知識が学べる本も存在します。

最強のイノベーション理論集中講義 シュンペーター、ドラッカーから、クリステンセン、キ [ 安部徹也 ]

イノベーションの例

例えば今では一般的になったスマートフォンも、技術革新の1つに挙げられると思います。しかし携帯電話、タッチパネル、PCと同様のことができるOSなどは既存の技術でできたことです。既存の技術を組み合わせて新しいカテゴリーの製品を作ったのです。

スマートフォンは登場前には全く想像もつかないカテゴリーの製品だったと思います。しかし全く未知の技術を開発したわけではありません。

そのまま組み合わせるだけでなく抽象化も必要

既存の製品や技術、サービスを抽象化して要素を洗い出すということも必要です。スマートフォンの例でいうと、携帯電話にタッチパネルを付けてPCのOSを入れたわけではありません。

携帯電話として使えて、ボタンを押さずともタッチパネルで簡単に操作ができて、PC同様に色々なことができるOSという3種類の要素を組み合わせたのです。

実物を無理矢理組み合わせるのも手ですが、それで上手くいかない場合は要素を洗い出してみてください。そして要素を組み合わせてみてください。

今時ならスマホを組み合わせる(ネットで完結、遠隔操作などスマホでできることの例)、AIを組み合わせる(自動的にそこそこの精度でやってくれるというAIの特徴)などの発想が多々使われているとでしょう。

アウトプットの重要性

発想して作るまでがクリエイティビティ

最初にクリエイティビティの定義はアイディアを思い付く発想力や、アイディアを形にする能力だと書きました。

つまりアイディアを形にすること、すなわちアウトプットも必要なのです。アイディアを頭の中だけにとどめておいては、役に立ちません。

ものすごい画期的な製品を思い付いても、ものすごい魅力がある小説のストーリーを思い付いても、それを形にしなければ役に立てることができません。完成品までは遠いとしても、簡単なプロトタイプくらいにはしたいものです。

アイディアの良し悪しを判断するのにアウトプットが必要

いくらいいアイディアを思い付いたと思っても、形にしてみたら今一だったということも起こり得ます。製品企画の仕事では10個に1個当たればいい方とも言われています。

そう考えると、思い付いたアイディアがいいものかどうかを測る必要があります。そして測るためにはアウトプットが不可欠です。

頭の中にあることを口頭で伝えても、具体的なイメージが湧きません。よって絵でも文章でも、小学校の図工でやるような工作でもいいので、まず形にしてみましょう。

こうすればアイディアの良し悪しを判断できる状態になります。

インプットを増やすためにできること

参考資料を集める

さきほどお店の紹介動画を作る際にYouTubeで他のお店の紹介動画を見てみるという話をしました。

仕事でもやったことがない仕事を振られた場合、参考資料や既存の成果物を見せてもらって、どんな風に仕上げればいいか確認すると思います。

社内でもお役所でも、申請書類には記入例がついています。サンプルがあることで、どうしていいか解りやすくしているのです。

このように参考資料があるとやり方や方向性のイメージがいくらかつかめます。悩んだら参考資料を探してみましょう。

知識を仕入れる

新しいものを作るたび、新しいことを始めるたびに知識を仕入れる必要があるということも覚えておいてください。

例えばあなたがお店を開いて、お店のチラシを作るとしましょう。効果的なチラシを作りたければ、チラシのデザインや宣伝文句の書き方を学ぶ必要があります。

自分で学ぶのが大変なら、お金を払って専門家を雇わなければいけません。「えいやっ!」で作って簡単に集客できるほど世の中は甘くないでしょう。

あるいはあなたがカフェを経営していて、あなたのお店で新たにハーブティーを扱うとしましょう。すると下記のような問題が出てくると思います。

  • そもそもハーブティーってどんなものがあるのか?
  • ハーブティーを作っているメーカーは?
  • ハーブティーの価格や流通量は?
  • 需要はどれくらいある?
  • どういう顧客セグメントが好む?
  • ハーブティーの美味しい飲み方は?

考えれば考えるほど、もっと多くの問題が出てくると思います。何かをやろうとしたら、今持っている知識や情報だけで足りることはありません。今持っている知識や情報だけでやろうとすると、「えいやっ!」でやるのと一緒になってしまいます。

よってクリエイティビティを高める上ではこう考えてください。何かを始めるには新たな知識や情報を仕入れる必要があると。

インプットを集める
モノづくりでもコトづくりでも、何かを始めるに当たって、まずは必要な知識や情報を集めましょう。

身の周りにあるものから学ぶ

インプットの対象は身の回りに沢山ある

日常生活で見かけるものの中には、クリエイティビティのインプットにできるものが沢山あります。

例えば電車の車内広告、飲食店の看板やメニュー、小売店に並ぶ商品などです。何気なく見ているものを観察して分析してみると、表現の幅が広がります。

自宅でも外出先でも、色々なものに興味を持って見てみましょう。意外な発見があるかもしれませんし、その意外な発見があなたの発想の幅を広げてくれるでしょう。

インプット対象は身の回りにある
クリエイティビティを高めるためのインプット対象は身の回りにあります。色々なものを観察・分析してみましょう。

観察や分析をしてみることで引き出しを増やす

日常で見かけるものについて、観察や分析をしてみることで、引き出すを増やすことができます。

例えば広告なら、写真やメッセージから伝えたいことをイメージしてみましょう。細いフォントならおしゃれなイメージになります。細いフォントはアパレル系でよく使われます。太いフォントなら武骨なイメージになります。太いフォントはアウトドアやメカニカルな製品で使われます。

写真は一人かファミリーかでも違います。また服装でも違います。スーツを着ていれば、仕事あるいは金融などのお堅い分野が多いかと思います。背景が暗い商品写真は高級感を出しています。

お店の看板の例で言うと、美容院はスタイリッシュなフォントが多いです。歯医者は痛いイメージを和らげるべく親しみやすさを強調しており、ちょっと丸っぽいゴシック体やゆるいキャラクターの絵がよく使われています。

ここで重要なのは、こういう表現方法を取ると、こういうイメージになるという理由と結果をセットとしてインプットすることです。こうやって引き出しを増やしていくと、こういうことをやりたいときは、こういう方法が取れるというような発想が出てくるようになります。

観察や分析をして引き出しを増やす
クリエイティビティを高めるためには観察や分析をして引き出しを増やしましょう。

仕事で使っている資料でもインプットは可能

仕事で使っている資料もよく観察や分析をしてみましょう。クリエイティビティを高める上で教材となります。

例えば解りづらい資料があったとしましょう。一般的にはここで、「○○さんが作った資料解りづらいよなー」という愚痴がよく発生するものですが、一歩踏み込んで解りづらい理由を分析してみましょう。

この言い回りはよくないとか、文章だけだとイメージがつかみづらいから図が欲しい、言い分は解ったけど具体例がピンとこないなど、解りづらい理由を挙げましょう。

こうすることで、この表現方法は解りづらいんだという引き出しが増えます。立派なインプットです。

そうしたら次は解りやすくする方法を考えてみましょう。難しい用語を避けて一般的な用語にする、図を付け加える、比喩表現を使う、具体例を挙げるなど、解りづらい理由を解消する方法を探してみましょう。

また解りやすいと思う資料も観察や分析をしてインプットにできます。解りやすい資料がなぜ解りやすいかを考えてみましょう。先ほどの解りづらい資料の逆かもしれませんが、それでもいい表現を学ぶいい教材です。積極的に吸収してあなたの引き出しを増やしてみてください。

仕事の資料でもインプットは可能
仕事で使っている資料でもインプットは可能です。解りやすい資料と解りにくい資料をよく観察・分析してみましょう。

便利な道具や美味しいお菓子だってインプットの教材になる

便利な道具や美味しいお菓子だって、クリエイティビティにおいてはインプットの教材になります。

便利な道具は開発時に創意工夫が盛り込まれています。なぜ便利なのか?この道具はどこがどういう風に工夫されているのか?それを分析してみましょう。分析することで、便利な道具を作るためのアイディアが引き出しとして少しずつ貯まっていきます。

美味しいお菓子だって、どんな工夫をしたから美味しいのかを分析してみましょう。ポテトチップスは薄いからカリッとした食感が楽しめるのです。身の厚さだけでなく、カリッとした食感もまた美味しさには重要な要素なのです。

身の周りにある商品には創意工夫が詰まっています。その創意工夫を分析することもまたインプットであり、あなたの引き出しを増やすことにつながります。

便利な道具や美味しいお菓子だって教材
便利な道具や美味しいお菓子だってクリエイティビティを高めるため教材となります。

異分野のものを取り入れる

シルクロードがもたらした価値

世界地図を見てみてください。先進国と呼ばれる国はどの辺に位置していますか?北半球に集まっていると思いませんか?実はここが重要なところです。

先進国と言えばルネッサンス以降から現代までは欧米、ルネッサンスより前は中国や中東です。いずれも北半球に位置しています。

これには理由があります。シルクロードを通して文化が伝わるとともに、シルクロードを活用した国は異国の技術・文化を取り込んで自国の技術・文化を進化させてきたからです。

自分の知識だけで考えるよりも、他人の知識を借りた方ができることは増えます。同様に国でも自国にはない他国の技術・文化を仕入れることで、できることも増えますし、国内に普及する商品やイベントも増えます。

クリエイティビティにおける異文化を取り込むことの価値

クリエイティビティという観点から考えてみましょう。異文化の技術・文化を自国の技術・文化に融合させることは、新たなものを生み出すことにつながります。

世界史の教科書や資料集にガンダーラ仏の写真が載っていますのを見たことがあるかもしれません。ヨーロッパ風になった仏像です。これは仏像という東洋の作品に西洋の芸術表現を取り込んだものです。このように異文化の技術・文化・芸術などを取り込むと、新たな表現が生まれます。

またパスタは中国のうどんをヨーロッパ人がヨーロッパ風にアレンジしたものです。

異文化のものを取り込むことで人類の歴史が進化してきたのです。いいアイディアが出ないときは、今まで知らなかった分野の本を読んでみるのも一つの手だと考えられます。

異国の文化を取り込んで進化してきた
人類は異国の文化や技術を自国に取り込むことで、自国の文化や技術を進化させてきました。

作曲家は様々な音楽を学ぶ

私は趣味で作曲をやっています。

作曲本を読んでいて気付いたことがあります。ポップスやロック、CM、劇伴(映画やドラマのBGM)など現代音楽の作曲家でもクラシックやオーケストラの勉強をしています。前者と後者は音楽としては別カテゴリーです。

特にポップスやロックではいわゆるバンド形式のドラム、ベース、ギター、ボーカルを基本構成とし、たまにキーボードがいるのが一般的な形です。クラシックとは音楽の特性も楽器の構成も全然違います。

しかし現代音楽でもストリングス(バイオリン、ヴィオラ、チェロなどの総称)やブラス(管楽器)は使われます。ストリングスやブラスをポップスに使うと盛大な雰囲気になります。つまり違うカテゴリーの音楽を学ぶことで、作曲家は自分の表現の幅を増やせるのです。

またジャズやボサノバ、ロックンロールなどの例も最近読んだ作曲本に書かれていました。特にジャズは参考になるテクニックが沢山あるから学んだ方がいいよと書かれていました。

そして音楽理論はクラシックの時代から積み重ねられたものでもあります。カテゴリーが違っても共通点があることはあります。すると既に持っている知識を別の観点から見ることもできます。それにより応用という観点がでてきます。

あなたが知っているカテゴリーと関連するカテゴリー、お隣さんに当たるカテゴリーなどを学ぶことで、あなたの発想の幅を広げ応用力を高めてくれる可能性があるのです。

色々なカテゴリーの知識を取り込もう
作曲家は色々なカテゴリーの音楽を学ぶことで、表現の幅を広げています。

アジャイルは異業種の手法を取り込んだもの

最近よく聞くであろうアジャイルという手法も、異業種の方法を取り込んだものです。

アジャイルには、トヨタ生産方式を中心とした日本の製造業が使っている方法が見られます。日本の製造業が現場で使っていた方法をアメリカのソフトウェア企業がソフトウェア開発応用したのがアジャイルという手法です。

製造業と情報通信業、ハードウェアとソフトウェアは同じモノづくり業ですが、特性が違います。近いところにあるカテゴリーと言った関係でしょう。

アジャイルは今ではソフトウェアのみならず、人事や営業も含め、あらゆる業務の改善活動に使われるようになりました。違うカテゴリーの方法を取り込むことで、新たな方法を生み出すこともできるのです。

アジャイルは生産管理を応用している
アジャイルはトヨタ生産方式を中心とした日本の製造業の方法論をソフトウェア開発に応用しています。

偶然の発見からアイディアを得る

偶然思いついた、失敗した、想定外のものができたというケースがあります。そういうとき、何か使えないか考えてみるといいです。

偶然の産物としてよく挙げられるものにポストイットがあります。粘着力の弱い紙ができてしまって、使い道がないか考えたところ、付箋として使えばいいという結論に達したそうです。

他にも偶然からできたものはあります。ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て閃き、万有引力の法則を発見しました。

ポテトチップスは、フライドポテトにクレームをつけられたシェフが嫌がらせで作ったら、意外にも美味しくてクレームをつけた客が満足したそうです。

私は最近オリジナル曲の動画を作っていたときに、回転の設定を間違えて、高速回転させてしまいました。しかし面白いのでそのまま使ってみることにしました。当初の想定と違ってもいいんです。柔軟に行きましょう。

バカバカしいと思うことでも試してみる

考えてみることは大事

一見バカげたアイディアの例としてGショックがあります。普通に考えたら過剰な耐久性を追求した製品です。一橋ビジネスレビューで開発秘話を読んだことがありますが、試作品を作っては会社の2階のトイレの窓から落として壊すということを開発者1人で繰り返したそうです。

どう考えても非現実的なのですが、発売されてからは大ヒットし、CASIOの看板製品の1つとなりました。

偶然思いついた、失敗した、考えてみたけどバカバカしいというアイディアや成果物でも、そのまま捨ててしまうのではなく、何か活かせないか考えてみるといいと私は考えています。発想はまずは広く取り、それから絞ればいいのです。

アイディアはまずは沢山集めて発散させるのです。そのためにはバカバカしくても、失敗作でもいいのです。ポテトチップスのように腹が立ったから半ばやけくそで出したアイディアも使ってやりましょう。

試してみることも大事

偶然思いついた、失敗した、バカバカしいというアイディアも活かすことを考えるのはもちろん、試してみるのもいいです。下らないと思うこと、上手くいかないと思うことでも全然いいです。何が上手くいくかは解らないので、ダメ元で色々試してみる必要があります。

単なる好奇心で試してみてもいいです。ダメだったらアンチパターンを1つ学べるだけのことです。そのうち当たりが絞り込まれてくるでしょう。

私はごぼうパスタを作ってみたことがあります。昼食を作ろうとしたら、乾麺のそば、乾麺のパスタ、オイルサーディン、ごぼうくらいしか食材がなかったのです。

パスタを作るなら葉物野菜かブロッコリーがいいなと思ったのですが、あいにく野菜がごぼうしかありませんでした。

そこでダメもとでオイルサーディンとごぼうのパスタを作ってみました。意外と悪くはなかったですが、いいかというと微妙でした。

しかしごぼうパスタで検索すると、割とよくあるレシピのようです。ありあわせのつもりが意外とよくあるメニューだなんて意外でした。このようにまずはやってみるでも学びを得られます。

新ごぼうのパスタ

でも試してみて、とりあえずダメ元でもダメ過ぎないものはできました。アイディアを思いついたら、とりあえず試してみればいいのです。そうすれば1個ずつ経験値が貯まっていきます。

日常で見かけたものからアイディアを得る

似たようなものを作ってみる

もう10年くらい前になりますが、テレビ東京で勇者ヨシヒコというドラクエのパロディのようなドラマをやっていたことがあります。ドラクエをやって育った私は、当時付き合っていた恋人から教えてもらって見るようになりました。

勇者ヨシヒコ完全図鑑

勇者ヨシヒコを見た私は、ドラクエにあったシーンにニヤニヤしつつ、どうしようもないギャグに爆笑したのでした。

しかしここで終わらず、たまにはRPGツクールをやってみようかと思ったのでした。私はRPGツクールを買うだけ買って、作りかけで放置するというありがちなことをやっていました。しかし勇者ヨシヒコを見て、下らないRPGを作りたくなってしまい、作りました。

でもクオリティはいけていないので公開していません。そのうちリメイクして公開しようかなと思いましたが、リメイクのために最新版のRPGツクールを買ったのに、面倒になって放置しています。ダメダメですね。

とはいえ何か他人の作品から影響を受けて考えてみるのはいいことだと考えています。クリエイティビティはインプットなくしてアウトプットなしです。色々インプットすれば、アウトプットの幅も広がります。

自分の経験・体験と紐づける

私はサイクリングがてら変わりもののおみくじを引きに行ったことがあります。海や山の景色を楽しみながらの1日かけてのサイクリングは楽しかったです。プチ旅行っていいですね。

鯛みくじやフグみくじという変わりもののおみくじを求めて葉山にある森戸大明神へ

その数か月後、たまたまYouTubeのFIRST TAKEで奥田民生氏のさすらいを聞きました。旅っていいなぁと感じてしまい、上記の森戸大明神へのサイクリングをネタに1曲作ってみました。

キラキラした旅の曲を作りたかった

自分の体験と紐づけているため、アイディアも出しやすかったです。何をするか?の大枠は他人の作品からヒントを得て、具体的な中身は自分の経験・体験から持ってきました。

誰しも自分が経験・体験がある話題が出たら、語れることがいくらかあると思います。思い入れの強い経験・体験であれば、飲み会が終わるくらい語れるかもしれません。

よって自分の経験・体験と照らし合わせてみると、これならアイディアを沢山出せそうと思えることもあります。

昔行った〇〇という場所が良かったから、そこへ行く旅行プランを作ってみるとか、そこの特産品を販売してみる、そことコラボしてみるなど、経験・体験から何かしらの製品・サービスにつなげていける可能性もあります。

起業家の話でも、〇〇という体験で衝撃を受けたから起業したという話があります。最近シェアを伸ばしているSmartHRは、社会保険の手続きが面倒なので、楽になるツールを作ろうと思って作ったそうです。

ダイヤモンドオンラインに記事が掲載されていたのですが、今は掲載が終了しているようです。これも自分の体験が元になっている例ですね。

自分のシチュエーションに当てはめてみる

最近リモートワークでBryan Adamsを聴いていました。18 Til I Die、つまり死ぬまで18歳という曲があるのですが、サビでEighteen Til I Dieと繰り返すのです。聴いていて爽快感を感じてしまいました。

そういえば一昔前は自称18歳なんて人もいた気がします。私の場合は酒を飲むために自称20歳にした方がいいんじゃないかとも思ってしまいます。

しかし年齢なんて気にせずいくつになっても新しいことを始めて、ド素人を味わって笑われていたいものです。守りに入ったら精神的に老けそうです。新しいことを学び続けることも、いくつになってもしたいものです。

そう思って生きているので、死ぬまで18歳という曲は響くものがありますね。死ぬまで18歳とか20歳でいることは不老不死が実現しない限りは無理ですが(VRの世界なら見た目だけ可能ですね)、若い気持ちを持ち続けたくはありますね。

このように自分と価値観が合う作品から考えたり感じたりしてヒントを得るのも手です。この曲を聴いて、永遠の20歳をテーマにした曲を作りました。

終わりに

今回はクリエイティビティの定義とインプットの重要性について書きました。

沢山書きましたが、言いたいことはクリエイティビティを高めたければインプットが超大事ということです。センスなどという特別な才能なんてどうでもいいのです。

当たり前のことをしっかりやればクリエイティビティは高められます。ただその方法が今まであまり解説されていなかったのです。

あなたも是非インプットを積極的にして、クリエイティビティを高めて活躍してくださいね。私も創作を通してクリエイティビティを高められるよう頑張ります。

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