キャリアで悩んでいる方のために|行き詰って本を読みまくって解ったこと

この記事にたどり着いたあなたはキャリアで悩んでいるのでしょう。
私もキャリアに悩み続け、何度も行き詰り、その度に本を読み漁ったり、転職したりしてきました。でもそれによって道が開けたり、気付きが得られたりしました。
キャリアで悩むことは当然です。VUCAの時代ですし、もう新卒で入った会社に一生滅私奉公して安泰が得られる時代ではないのですから。
だから自分らしい生き方、自分の強みを発揮できる生き方、自分がやりがいを感じられる生き方を模索して当たり前だと私は考えています。
この記事では私自身がキャリアに行き詰って本を読み漁って解ったことを解説します。
キャリアで悩んでいる方、特に自分の強みや適性に悩んでいる方や転職するかどうか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
悩むのは当然
あなただけじゃない
まず初めに言っておきたいことは、キャリアで悩んでいるのはあなただけではないと言うことです。
もしかしたらあなたの周りには転職がスムーズに行く人が多いかもしれませんし、新卒で入った会社で順調に出世している人が多いかもしれません。
いずれもキャリアの悩みがなさそうで、順調なキャリアを歩んでいるように見えるかもしれません。
でもそういう人でも不満は多いのが普通です。会社や仕事の愚痴を言う人がどれだけ多いか考えてみてください。とても多いですよね?ということは多くの人は仕事に対する不満が多いのです。
近年はキャリアコンサルの国家資格ができました。
なぜこのような資格ができたかというと、政府という行動が遅い組織でもいよいよキャリアを労働者個々人が考えないといけない時代だと認識したからです。
VUCAの時代と言われ、転職や独立をする人も珍しくなくなりました。地方移住や副業、プロボノなども選択肢になって、パラレルキャリアの時代になってきています。
だからキャリアで悩んで当たり前なのです。今までが20世紀のやり方でなんとかなっていただけで、21世紀になって時間が経ったことで、20世紀のやり方が通用しなくなってきただけの話です。
ちなみにプロボノについては記事を書いていますので、興味があったら読んでみてください。プロボノは手軽なスキルアップに有効です。
これからはキャリアを考える続ける時代
昨今は変化が激しいですし、リーマンショックやコロナ禍のように突然失業者が沢山出てしまうこともあります。
こんな時代だからこそ、キャリアについて考える必要がありますし、どこの業界にいれば安全と簡単に言うこともできません。
つまりキャリアを考え続け、自分のスキルを磨き続ける必要があるのです。
20世紀は会社がキャリアを用意してくれる時代でしたが、21世紀はそういう時代ではありません。逆に自分で選んでいい自由な時代がやってきたのです。
悩みを明確化する
まずは悩みを明確化していきましょう。そうしなければ良い解決策は出てきません。
よくある悩み
仕事の悩みでよくあるのは次のようなものです。特に離職理由の上位によく挙がるのが人間関係です。
- 仕事内容
- 人間関係
- 給料
- 将来性
- 働きやすさ
まずはあなたが悩んでいることが何なのか明確化しましょう。仕事に飽きてきた、やりたい仕事じゃないなどなのか、それとも馬が合わない人が多い社風なのか。
あるいは給与水準が低いか、頑張っても中々上がらないのか。会社または業界の将来性、自分が担当している仕事で求められるスキルの陳腐化なのか。
残業が多いとか有給休暇を取りづらいというケースもあるでしょう。
いずれにせよ、上記のうちの複数個が該当することが多いです。どれが該当し、具体的な内容は何なのかを書き出して明確にしましょう。
書き出すことは重要です。頭の中でモヤモヤしてグルグル回っていても辛いだけですので、ドンドン書き出しましょう。スッキリしますよ。
そして書き出した内容から色々考えてみて、自分の本当の悩みを具体的にしていきましょう。
自己認識の重要性
自己認識は実はとても大事です。
私は若い頃はキャリアとはいかに付加価値の高いスキルや経験を身に付けて市場価値を上げるかだと思っていました。若いがゆえに自分の役割や年収を上げることしか考えていませんでした。
しかし役割を上げづらいところまできて気付きました。自分だから出せる付加価値とかオリジナリティって何だろうと。
それ以前に自分がやりがいを感じる仕事の特徴は何なのか?という悩みも出てきました。
そこで自己認識です。自分の向き不向きや強み弱み、やりがいを感じること、価値観などをひたすら書き出して洗い出すのです。
仕事、趣味、交友関係、家族などを含めて洗い出します。
また嫌いな人や腹が立つことも洗い出すと、自分が大切にしたい価値観が出てきます。そういう人たちも反面教師です。
こうして自分を知ることで、次に選ぶ仕事はもちろんですが、自分が長期的に目指したいことや、自分の仕事のスタイルが見えてきます。
理想のイメージの想像
自分がどういうプロだったらいいか、どういう人に憧れるかも考えてみましょう。
例えばスポーツをやっている人なら好きな選手、音楽をやっている人なら好きなアーティストがいると思います。
憧れの人から学ぶことで、自分や追求したいスタイルが見えてくることもあります。
ただ闇雲に頑張るよりは、ロールモデルを参考にした方が、参考になるものがあるだけ効率が良いです。
私はデザインノートという雑誌に出てくるディレクターたちをロールモデルにしてきました。
趣味で読んでいる雑誌ですが、これに登場するディレクターたちがクライアントの悩み事を聞いて、解決方法を試行錯誤しながら作っていくプロセスを見てきました。
そしてこういう風にクライアントのために試行錯誤して、クライアントの困りごとを解決できるプロになりたいと考えました。
あなたもこの先輩みたいになりたいとか、こういう人になりたいという憧れの人がいれば、是非参考にして技を吸収しまくってください。
悩みの種類と解決策
悩みを書き出して具体化できたら、次は悩みの種類に応じた解決策を考えていきましょう。
仕事内容の悩みの解決策
仕事内容で悩んでいる場合は、仕事のやり方、仕事に対する捉え方を変えるという方法もありますし、社内に希望する仕事があれば異動願いを出すという選択肢もあります。
色々ありますので順に解説します。
仕事に対する捉え方を変える
仕事に対する考え方というのは、レンガ職人の話が参考になります。
レンガ職人が3人いて、通りがかりの人が何をやっているか尋ねたそうです。
すると1人目は「見りゃ解るだろ?レンガを積み上げているんだよ」と答えました。
2人目は「家を建てているんだ」と答えました。
3人目は「この家に住む人の夢を作っているんだ」と答えました。
つまり仕事に対する捉え方を拡張していくと、ただの作業から誰かの役に立つ仕事に変わるという話です。
異動願いを出す
仕事内容がつまらない、飽きた、向いていないなどの理由で不満で、なおかつ社内にあなたが興味を持てる仕事がある場合は、異動願いを出すという選択肢があります。
モヤモヤしているくらいならダメ元で出すだけ出してみるのも手です。あるいは興味がある仕事についている人が顔見知りなら、どういう仕事か聞いてみるなどもいいでしょう。
やりたいことはパラレルキャリアで実現する
本業は安定した収入を得るためと割り切って、副業やプロボノ、ボランティアなどでやりたいことをやるという選択肢もあります。
私も副業やプロボノをやったことがあります。
プロボノで出会った人の中には、仕事に慣れてきたからあえて社外で活躍してみたいという人や、本業は割り切ってプロボノでやりたいことをやるという人がいました。
こういう割り切り方もあるんだなと感じました。
ちなみにパラレルキャリアでやりたいことをやってみる場合、やったことがないため苦戦するということが起こります。もっともこれは異動でも転職でも同様ですが。
そんなときのために、初めてやる仕事を上手くやるコツの記事も書いていますので参考にしてください。
人間関係の悩みの解決策
会社は人が沢山集まる場所です。採用担当者は自社の組織文化に合うかどうかも意識して人を採用していますが、それでも人が多くなれば相性問題は出てきます。
私だって相性が悪い人に当たったことは何度もありますし、ケンカをしたこともあります。
離職理由の一位は人間関係だそうです。それくらい人間関係は悩みが多い問題です。
しかし安心してください。組織文化によっては人間関係のトラブルが起きる確率が低い会社もあります。
職場の人間関係で悩む方のためにこちらに記事を書いていますので、参考にしてください。
給料の悩みの解決策
給料の不満は多くの人にある
給料に不満があるという方は多いでしょう。
以前読んだアンケートでは、自分の適正な給料は1.5倍、適正なボーナス額は2倍という結果があったそうです。これは回答の平均値です。
残念ながら調べてもURLが見つかりませんでした。
とはいえそれくらい多くの人が自分は頑張っているのに報われていないと感じているということです。給料の悩みはあなただけではありません。
自社の評価基準を知る
給料を上げる上で大事なことは自社の評価基準を知ることです。評価制度がある会社なら、評価制度をよく調べることです。
評価制度がない会社でも、社歴が長い管理職の間では重視するスキルや文化を読むことができる場合もあります。
「Aさんはこれができないところがイケてない」とか、「Bさんはこういうところがいい」という会話や、出世している人が得意なスキルや抱えている案件の特徴などから、重視する基準を読むのです。
暗黙的ですが、大抵の会社には社歴の長い社員たちの間で、感覚的な基準があるものです。暗黙的なのでハッキリ答えてもらうことができないことが難点ですが。
副業で増やす
あるいは副業によって収入を増やすという方法もあります。
ただし副業をする場合は注意点もあります。こちらのパラレルキャリアの記事に書いていますので、読んでみてください。
転職する
その他には給与水準が高い会社に転職するという方法もあります。
給与水準は業界と会社の規模で決まります。残念ながら能力ではありません。まず業界と会社の規模があって、その範囲内で経験やスキル、役割に応じて決まります。
よって同じ業界のより大きな会社、より給与水準の高い業界の同じ職種に転職すると給料を上げられる可能性が高いです。
あるいは業績が伸びている最中の会社、言い換えると成長途中の会社に転職する方法もあります。成長途中の会社なら、成長に伴って会社の規模が大きくなり、給与水準も上がるからです。
将来性の悩みの解決策
会社の業績が先細っているとか、業界の市場規模が縮小している場合は、成長中の会社や業界に転職するという選択肢があります。
あるいは希少なスキルを身に付けて自社に残り、確実に生き残る人になるという選択肢もあります。
私はどちらかというと前者をおススメします。後者は思い入れがないと難しいからです。
違う業界に転職する場合、営業やバックオフィスの方なら同じ職種に就ける可能性があります。しかしそれ以外の方ですと、別の職種に就かなければいけない可能性があります。
そうなるとリスキリングが必要です。成長中の業界や職種で有用なスキルを探し、知ってそうな友人・知人に聞いてみましょう。
ちなみに近年はプログラミングが人気ですが、AIの普及によってプログラマーの立場は脅かされています。
プログラマーは元からオフショアによって脅かされてきましたが、IT業界の成長が大きかったため免れてきました。それがいよいよAIで脅かされ始めています。
よってプログラミングを学ぶなら、プログラミングを入り口として、設計や要件定義など上流工程を目指してほしいというのが私の意見です。
働きやすさの悩みの解決策
残業が多いとか休みがとりづらいなど、働きづらさが悩みの場合、働きやすい会社を探すことになります。そのような状況の会社は経営者が変革を決断しない限り、変えることが困難だからです。
働きやすい会社を選ぶ基準としては、以下の基準があります。
- 多様な働き方を認めている
- 少ない残業時間で成果を出すことを意識している
- スキルや専門性の高さを売りにしている(仕事が速いから結果的に残業が少ない)
すぐに転職できない場合は残業を減らすことを試みてください。
私はマネジメントを長年に渡りやっているからこそ言いますが、残業はマネジメントの問題です。だから仕事のやり方を上手くやって残業を減らすことが可能です。
解決に向けての行動
悩み別に解決策を書いてきました。次は行動を起こすとなった際にやることを書きます。
まずは情報収集
いきなり転職や退職をしないでください。危険です。
さっさと退職届を出しても転職がすぐ決まればいいと思うかもしれません。
しかし安易に次の会社を選ぶと、また同じような悩み、あるいは別の悩みなど何かまた悩みを抱えることになる危険性もあります。
よってまずはしっかりと情報収集をしましょう。そうして失敗しないように確実に次の仕事を選びましょう。
転職して失敗したからすぐまた転職では、職歴に傷がついてしまいます。くれぐれも転職や退職は慎重にです。
専門家に相談
自分で情報収集しながら、転職エージェントに相談してみましょう。
転職エージェントは昨今の転職市場の事情を知ってますし、あなたの現在の市場価値やこれから詰むとよい経験も教えてくれます。しかも相談は無料です。
更に言うと転職エージェントは非公開求人を沢山抱えています。仕事の選択肢も増えるというものです。
よって転職エージェントを有効に活用しましょう。
終わりに
長くなってしまいましたが、私自身がキャリアに行き詰って本を読みまった体験から、キャリアで悩んでいる方に参考になりそうなことをひたすら書いてみました。
キャリア本を読み漁った私も、未だに悩みが尽きません。それくらいキャリアの悩みは尽きません。LIFE SHIFTという本を読むと、100年もキャリアを考えながら生きる時代なんだと感じます。
だから悩みながらも本を読んだり人の話を聞いたりして、情報収集をして、キャリアについて考えていきましょう。
それでは頑張ってください。