ブランディングとは何か?ブランドの定義と力、分類を解説

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ブランディングとは

世の中にはブランドというものが溢れています。そして企業はブランディングというものに取り組んでいます。

私はかつてブランド戦略をやっている会社にいました。入社したら部長に、顧客とその競合のホームページをよく見て戦略の違いを分析しておけと言われました。

今回はブランディングとは何か?そしてブランドとは何であり、ブランドの力はどんなものなのかについて解説します。最初に言っておきますと、ブランドの力はとっても強力です。価格差もブランド力があれば跳ねのけます。

ブランディングは21世紀において企業が力を入れた方がいいものだと私は考えています。同時に個人も意識した方がいいものだと考えています。ブランディングが気になっている方や、自社の製品・サービスを伸ばしたい方、キャリア形成を考えている方などはブランディングを学ぶのも一考というのが私の考えです。

ブランドとは

ブランドとは何か

ブランドは消費者が感じているイメージです。具体的な何かがあるわけではないです。製品は具体的な形がありますが、ブランドは具体的な形や実体がないです。

しかしルイ・ヴィトンやシャネルは誰もが知るブランドです。ルイ・ヴィトンと聞けば、アルファベットのようでもローマ数字のようでもある特徴的なマークを想像する方は少なくないかもしれません。あのマークがついたバッグを想像してしまうかもしれません。シャネルと聞けば特徴的な色の服やバッグを想像するかもしれません。

ウィメンズ ハンドバッグ カタログ|ルイ・ヴィトン 公式サイト

好きなブランドがある人もいますし、ブランドはたとえノーブランドより高価格であっても、ブランドを信用して買う人は沢山います。

高級とか高品質、おしゃれ、カッコいいなど人々はブランドに対して何らかのイメージを持っています。

ブランディング
ブランドはイメージであり、形や実体はありません。

ブランドの語源

ブランドの語源は農家が自分の牛に焼き印を付けたことです。焼き印によって自分の牛と他人の牛を区別したのです。

ここから自分のものというイメージを持てますね。ましてや牛という生き物ですので、農家は手塩にかけて育てているわけです。

そしてブランドは企業が手塩にかけて育てた自社の製品・サービスへと発展していったと考えられますね。

ブランディングとは

ブランド(brand)を作ることがブランディング(branding)です。そのままですね。もうちょっと詳しく書くと、ブランドを作って浸透させることがブランディングです。

ブランドの力

高級ブランドの魅力

ブランドと聞くと真っ先にイメージするのが高級ブランドだと思います。これは間違っていないと私は考えます。ブランドの力を最も発揮しているのが高級ブランドだからです。それゆえ高価格でも売れるのですから。

高級ブランドはそこまで必要か?というほど高価格です。そしていい素材を熟練職人が手間暇かけて作っていたりします。

例えばスイスの高級時計は職人が1年間に3つしか作れないそうです。そこまでの手間をかけているからこそ、数百万円という超高価格になります。ランボルギーニなどのスーパーカーの超過剰なスペックも、並外れたスペックだからこその価格ですよね。

高級ブランドは確かに過剰品質であることがあります。しかし高級で個性や品質、ストーリーがあるからこそ、特別なものというイメージを世間の人々に与えます。それゆえ持つことが特別なことになり、人々を惹きつけます。

ストーリー、デザイン、個性などが所有欲を満たしてくれるのです。特にストーリーはブランドを表す上でとても重要です。みなさんがブランディングをする際はストーリーも作り込んでください。

ブランド力は価格を跳ねのける

高級ブランドを見ての通り、ブランドに魅力があれば高くても売れます。ブランディングとは製品やサービスの価値を高める活動でもあるのです。

かといって高級ブランドでなかったとしても、ブランドの魅力や品質、信頼性などは重要です。

例えばみなさんが家電や家具、あるいは服やバッグなど数年間は使う道具を買うとします。このときノーブランドあるいは聞いたこともないマイナーブランドだけど安い製品と、誰もが知ってる有名企業の中価格帯のブランド、どちらを買いますか?

安くてもこだわりがないからいいやという人もいれば、一応有名企業の製品を買っておいた方が、品質やアフターサポートで安心だと思う人もいるでしょう。後者は少なくないでしょう。

つまり富裕層が買う高級品から一般人が買う普及品まで、ブランド力がある方が価格が高くても売れるということです。ブランド力は価格に勝るのです。ここはブランディングをする上でとても重要だと私は考えています。

ブランドの特徴
ブランドにはストーリー、デザイン、個性などがあります。

自転車業界に見るブランドの力

自転車業界では日本ブランドよりも欧米ブランドの方が圧倒的に売れています。欧米ブランドの方が価格が高いです。また欧米人の高い身長や手足が長い体格に合わせているため、日本人の体格には少々合わないという問題点があります。それでも欧米ブランドの方が圧倒的に売れ、日本に流通するスポーツ自転車は欧米ブランドが圧倒的に多いです。

日本ブランドはブリヂストン、ミヤタ、アラヤ、パナソニック、丸石などの伝統的大手メーカーが作っていました。しかしこの中でスポーツ車を作り続けているのはブリヂストンとパナソニックくらいです。アラヤは限定品しか作っていません。

最近はホダカが作るKhodaa BloomやNESTOを見かけます。たまにラケットで有名なYONEXもあります。かつてはゴルフのGRAPHITE DESIGNもありましたが、撤退しました。

価格が高いことや体格に合わないことを覆すほど、欧米ブランドには魅力があるのです。デザインやストーリーが優れており、海外の有名なチームが使っているということも影響しています。

このようにブランドに魅力があれば、価格を跳ねのけてしまうのです。

ブランドの価格帯

高級ブランド

富裕層が買うような高級ブランドが世の中には存在します。価格は青天井で、テレビの中の世界です。所有することに特別な意味があります。またこういうブランドの店舗を見てみると、個性的なデザインの製品を見かけます。

このように存在そのものや所有することに特別感を感じる価値を意味的価値と呼びます。これが高級ブランドの特徴です。高級ブランドの多くは長い歴史があります。つまりストーリーと積み上げた信頼があるのです。

中価格帯ブランド

一般人でも買える価格帯で、製品やサービス全体で見ると真ん中あたりに位置するのが中価格帯ブランドです。日本企業のブランドが代表的な例ですね。欧米ブランドは高いものが多い(差別化できる価値やブランド力があるブランドを選んで輸入しているのだと思いますが)のに対し、日本ブランドは中価格・高品質が売りです。

低価格帯ブランド

低価格帯ブランドは服で言えばユニクロやGU、しまむらなどが該当します。家電で言えば中国や台湾のブランドが該当します。家電には日本ブランドでも山善やコイズミもありますね。

低価格帯ブランドはコストパフォーマンスを重視する人が選ぶブランドです。ユニクロは低価格なのに(最近は中価格帯に近づいている気もしますが)高品質なのが売りですが、多くの低価格帯ブランドは品質や性能はそれなり、機能を絞ったりして何かしらコストダウンしています。

ブランドの価格帯
ブランドには高級、中価格、低価格があり、それぞれ特徴が違います。

プライベートブランド

小売企業がメーカーと共同企画して、販促費用を抑えることでコストダウンしたのがプライベートブランドです。最近はとてもよく見かけます。これも低価格かつコストパフォーマンスに優れています。

7&iやイオンのトップバリュが代表的ですが、最近は多くのスーパーがプライベートブランドを持っています。またビックカメラやコーナンなど家電量販店やホームセンターもプライベートブランドを持っています。コンビニなどは積極的にプライベートブランドの商品を開発して並べていますね。

ローソンオリジナル

ファミマル

コンビニのプライベートブランドのお菓子はバリエーションが増えていて、見ているだけで楽しいものです。一方でホームセンターのプライベートブランドやビックカメラのLED電球、電池などはコストパフォーマンスが高いですね。

えっ?こんなところにもプライベートブランドが!?と思うことがあります。

終わりに

ブランドとその力や分類などを解説しました。理解できましたでしょうか?

ブランドは身近でありながら、作り込むことで他社と差別化しつつ自社の製品・サービスの価値を高めることができます。

また自分自身をブランド化することもできます。芸能人などはいい例です。

ブランドの力とブランディングに興味を持ったら、書籍などで勉強してみるのもいいと思います。この講座でも引き続きブランディングについて解説していきますので参考にしてください。

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