コーチングのやり方を学ぶために例を5つ作ってみた

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コーチングを活用しよう

最近コーチングという言葉をよく聞くようになりました。キャリア本にコーチングという言葉が登場することもあります。私の周りではキャリアコンサルタントの資格を取った人が次のステップとして、コーチングを学んでいると話していることもあります。

そんなわけでコーチングに興味を持ったので、本を買って読んでみました。読んだのは「一瞬で自分を変えるセルフコーチング」という本です。

一瞬で自分を変えるセルフコーチング 最高の「気づき」を得る、自問自答の技術【電子書籍】[ 林英利 ]

感想はnoteに書きましたので、内容が気になる方は読んでみてください。

【読書】一瞬で自分を変えるセルフコーチング

ここではコーチングとは何か、コーチングのやり方、コーチングの例などを解説します。次のような方の参考になれば幸いです。

  • コーチングに興味がある方
  • コーチングを学んでみようと考えている方
  • コーチングを受けてみようと検討している方
  • キャリアや人生が上手く行ってなくてモヤモヤしている方(コーチングが現状打破する候補の1つとなる方)

さらに言うと、紹介した本のタイトル通り、コーチングを自分自身に活用することも可能です。自問自答みたいですが、コーチングでよく使われる質問を自分に対して使うことで気付きを得るのです。

それでは始めましょう。

コーチングとは

コーチングの定義

コーチというとスポーツで練習を指導する人をイメージするかもしれません。その人たちも選手を育てるために練習内容を考え、練習方法を教えるコーチです。

冒頭で紹介した「一瞬で自分を変えるセルフコーチング」という本によると、コーチの語源は場所の御者なのだそうです。馬を進みたい方向に導く人なのですね。

コーチングは実は教えることではありません。教えることはティーチングと呼びます。コーチングは教えるのではなく、質問によって気付きや学びをもたらす方法です。

コーチングでは答えはクライアントの中にあると考えます。クライアント自身が気付いていないことに、質問によって気付いてもらうのがコーチングです。

例えば本人は自分に自信がなくて悩んでいる場合を考えます。コーチはクライアントに上手く行った過去の経験や、周りの人の接し方などを聞き、そこから強みを見つけ、クライアントが自信が持てるようにするなどです。

コーチングの歴史

コーチングは元々は馬車の御者が馬を目的地まで導くことが語源です。そこからスポーツなどで取り入れられてきました。

コーチングの歴史に関する詳細はこちらの記事を参照してください。

コーチングの歴史 | コーチングとは | コーチ・エィ アカデミア

昨今は転職や独立のハードルが下がり、キャリアチェンジやリスキリングも登場しています。かつてのようにモデルケース通りの人生では上手く行かないケースも増えてきています。

そこで自分の強み/弱み、個性、適性などに合った生き方を模索する必要があります。そんなときに自分自身について気付きを得るためにコーチングが有効になってきていると私は考えています。

よって昨今ではコーチングといえばスポーツばかりでなく、キャリアコーチングも多いでしょう。

コーチングのメリット

コーチングのメリットはズバリ自分が気付けていない自分の強みや個性に気付けることでしょう。それから落ち込んでいるときや上手く行っていないときに、ポジティブな気分になれることでしょう。

ただしこれを自力でやることは簡単ではありません。悩んでいるときや落ち込んでいるときに、自分で自分を励まして解決できたらどんなに楽でしょう?そんなに上手く行かないですよね?

そこでコーチングを受けてみるか、コーチングの方法を学んで自分相手に自問自答することが有効です。

コーチングのやり方

目標設定

何事にも共通して言えることですが、まずは目標設定が大事です。

コーチングの場合は、コーチングを受ける人すなわちクライアントが悩みを抱えていることが出発点です。よって悩みを解決することが目標となります。

クライアントの悩みをコーチにしっかりと共有し、どうしたいのか、どういう状態になれたら解決なのかゴールを決めましょう。

対話

コーチはクライアント自身を知る必要があります。そこでコーチがクライアントに様々な質問を投げかけます。

例えば自信がないなら上手くできた過去の経験、転職や独立で悩んでいるならなりたい姿や踏ん切りがつかない理由などをコーチは探っていきます。

そしてコーチはクライアントが気付いていない観点を投げかけます。例えばお金や時間の制約がないとしたら?とか、何でも自由に選べるとしたら?、逆に考えてみたら?などです。

クライアントはコーチから受けた質問を元に、自分自身について気付いたり、違う考え方を思い付いたりします。

こういう対話を繰り返すことで、目標達成のための具体的なプランを作っていきます。

そしてコーチはクライアントを励ましながら目標まで背中を押していきます。まるでマラソンを伴走するかのようにです。一緒に頑張るパートナーのような存在になるわけですね。

評価とフィードバック

当然ながら目標を決めたら、目標達成までにやることがいくつかあるでしょう。転職したいなら次にやりたい仕事や条件を決め、どんな仕事なのかやどんな会社があるかという情報収集をし、いくつか応募して面接で話を聞いてみるなどです。

よって進捗状況を見てPDCAサイクルを回していくことも必要でしょう。

ここでコーチが一方的にクライアントに話すようではよくないでしょう。コーチとクライアント両者がクライアントが行ったアクションに対して振り返りをし、それぞれが意見を出し合うことがよさそうですね。

これは上司と部下でも同様のことが行われていると思います。ただ上司と部下だと年1回の面談だけかもしれませんが。

コーチングではコーチとクライアントが振り返りを毎回繰り返すことで、クライアントも早く気付きを得て目標に向かって前進できそうですね。

コーチングとコンサルティングの違い

ところでコーチングとコンサルティングの違いは何でしょう?

私の周りには本業がコンサルティングで、副業がコーチングという人もいます。飲み会でその人がちらっと言っていた気がするのですが、酔っぱらってよく覚えていません。

というわけで私がコーチングの本を読んで感じたことを書きます。

コーチングの特徴

コーチングは答えがクライアントの中にあり、自分自身で解決策を出していくこと、コンサルティングは答えをクライアントが持っていないのでコンサルタントが解決策を提示することです。

コーチングはクライアントが自分の強みや個性、適性に気付くようコーチが質問を投げつつ励ましていくものです。コーチが人を沢山見たことがある経験豊富な人だったとしても、クライアントの強みや弱み、個性、適性などは超能力がなければ見抜けないでしょう。

だからコーチは質問によってクライアントの中に眠っているものを掘り起こしていくのです。

コンサルティングの特徴

一方でコンサルティングではクライアントは解決したい問題や課題があるけど、いい解決方法で悩んでいるという状態にあります。そこでクライアントは専門家からいい解決策を提示してもらいたくてコンサルティングを依頼するのです。

コンサルティングを行うベテランデザイナーの中には、答えはクライアントの中にあり、それを引き出すのがデザインの役割だという方もいます。これはコーチングに近いですね。

私も実は似たようなことを考えることがあります。コンサルタントはクライアントをよく知る必要があります。そしてクライアントの強みや特徴を知り、それを活かせる解決策を考えていきます。

こう考えると、解決策を提示するかしないかがコンサルティングとコーチングの特徴で、クライアントを深掘りしてよく理解することは共通ですね。両者でやることはいくらかは重なっていると言えそうです。

コーチングの例

コーチングについて私自身が本を読んで知ったことを解説したところで、次はコーチングをやってみた例を考えてみました。

コーチングを受けると、もっと具体的に色々な気付きを得られるのかもしれません。しかしそこまでするには結構なお金がかかります。

そこでまずはセルフコーチングの本の内容を元に、セルフコーチングとしてもできそうなものを簡易的に考えてみました。

セルフイメージを上げる

セルフイメージという言葉があります。読んで字のごとく自分自身に対するイメージです。具体的には、自分は頑張ればできるはずとか、自分は怒りっぽい人などというものです。

人間は上手くいかないことが続くとセルフイメージが下がります。自分は出来が悪いから頑張ってもダメなんだと思ってしまいます。

また上手くいかないと周りからも出来が悪い人と言われ、ますます自分はできない人と思ってしまいます。そうなるとセルフイメージは下がっていきます。

ここではキャリアに行き詰ったAさんという架空の人物を見てみましょう。

Aさんはハードワークして実績を上げ、出世したアラフォーの会社員です。しかし最近は鳴かず飛ばずです。

今まで自分は沢山働いて沢山勉強できるから、頑張ればきっと仕事ができる人になれると信じて頑張ってきました。その甲斐もあって順調に昇進してきました。しかしここ数年は凹んでばかりです。所詮自分は平々凡々だったんだなと落ち込んでいます。

ある日友人から、行き詰っているならコーチングを受けるといいよと言われ、Aさんはコーチングを受けてみました。

Aさん「僕は自分では頑張ってきたつもりなのですが、仕事が全然上手く行ってなくて、実は平々凡々だったんだなと…今まで頑張ってきたのは何だったのか、むなしいです。」

コーチ「まず出世が難しい今の時代に十分出世されていることが凄いですよ。今は不調な時期なだけです。まずは上手く行ったこと、達成感を感じたことは何ですか?」

Aさん「チームメイトを助けたり、大きなプレゼンで夜遅くまで顧客に刺さりそうな表現を考えたことかなぁ。」

コーチ「人のために粘ることができる、チームワークができる、他人の立場で考えられるなどがAさんの強みですね。特に他人の立場で考えるというのは難しいことです。これを頑張れて達成感を感じられるなんてAさんは平凡じゃないですよ。」

Aさん「そうか、僕には普通のことだと思っていたけど、誰もが普通なわけじゃないんだ。だから平凡とは言えないんだな。」

自分にとって普通でも、他人にとっては普通じゃないことって多いものです。何も考えず自然とできていることは、実は自分にとっての強みかもしれません。

自己肯定感を高める

Bさんは未経験の仕事へと転職して半年経ちました。慣れない仕事に苦戦して、周りに助けてもらってばかりです。

諦めて以前やっていた職種で求人を探した方がいいのかなと思うこともあります。それを人材会社に勤めている友人に相談したところ、悩んだらコーチングを受けるといいと教えてもらいました。

早速Bさんはコーチングをやっている会社に問い合わせ、コーチングを受けてみることにしました。

Bさん「自分はできると思って、以前から興味があった仕事に転職してみたのです。しかし全然上手くいかなくて、自分は実は大したことがないと思うようになりました。自己肯定感が下がりまくりです。」

コーチ「捉え方次第でポジティブにもネガティブにもなりますよ。できることとできないことを洗い出してみましょう。」

Bさん「知識不足、時間がかかりすぎる、ミスが多い、周りに聞いてばかり、ランチや飲み会には参加しているなどですね。ランチや飲み会に積極的に参加しているのは、人の話を聞いて新しい仕事のことを知りたいのもありますし、交流が好きだからというのもあります。」

コーチ「知識不足については転職して初めての仕事だから仕方ありませんよ。それでも粘り強く続けていますし、まだ初心者だから伸びしろがあると考えてよいでしょう。」

コーチ「時間がかかりすぎることもミスが多いことも同じです。前職では慣れた仕事でそんなことはなかったでしょう?」

Bさん「確かに前職では慣れた仕事だからスムーズに進みましたね。」

コーチ「そうです。慣れればできるから大丈夫ですよ。辛いのは今です。」

コーチ「また周りに聞いてばかりですが、ランチや飲み会には参加できているので、周りの印象は悪くないでしょう。印象が悪ければランチや飲み会にも参加しづらいはずです。つまり周りの方々も受け入れてくれていますよ。」

Bさん「確かにそうですね。出来が悪いという不満を持たれていたら、誘ってももらえないでしょうから。」

コーチ「そうです、大丈夫ですよ。慣れるまでの大変さは通過点でしかありませんから。今の調子で頑張っていきましょう。」

何事も最初は慣れなくて上手く行かないものです。しかし上手く行かないと凹むことも増えます。でも初心者だから上手く行かなくて当たり前なのです。

だから地道に頑張っていきましょう。でも精神的には辛いので、支えて応援してくれる人がいるといいでしょう。そういう人が中々いないなら、コーチングを受けてみるのもいいかもしれませんね。

思い込みを外す

Cさんはチェーン店型のサービス業に勤めています。新サービスを思い付き、企画担当に立候補しました。

しかしCさんの会社の体質は前例踏襲です。Cさんは社内からは前例がないのにできるわけがないと反発されてしまいました。

しかしCさんの会社の業績はよくて横ばい、少しずつ下がってきています。今はまだ問題になりませんが、このままでは今の規模を維持できなくなりそうです。それゆえCさんは新サービスを始めないといけないと考えています。

Cさんは色々と本を読んでみました。そしたら最近はコーチングというものが流行っているということを知り、相談してみることにしました。

Cさん「会社が前例踏襲で、新サービスに否定的なんです。でも業績は先細っていくのが目に見えていまして。どうしたら社内を説得できるか悩んでいるんです。」

コーチ「前例以外に絶対と言える要素はあるのでしょうか?」

Cさん「前例だけが理由です。いつも前例がないと言ってばかりで、他の理由を聞いたことがありません。」

コーチ「制約なしで考えたらどうなりますか?予算とか売る場所、人手などをいくらでも用意できるとしたら。」

Cさん「宣伝できたらいいですね。人も確保できたら。場所は既存店舗で十分です。」

コーチ「宣伝したいことやターゲット、必要な人員はどうでしょう?まずは理想を考えてみてください。」

Cさん「まずは無料体験でもいいから使ってみてほしいですね。CMを打てるならいいですけど、店頭で私が売り込んでもいいと思います。」

コーチ「思い込みはあるものです。前例踏襲はいい例ですね。実は思い込みを外して考えることは大事なんですよ。」

Cさん「ちょっとずつ希望が見えてきました。」

思い込みを外すということも「一瞬で自分を変えるセルフコーチング」で解説されています。

人間にはバイアスがあるという話がマネジメントの論文にはよく出てきます。だからこそ一旦制約を取っ払うことで、バイアスすなわち思い込みを外すことができます。

成長力を鍛える

Dさんは35歳の中堅社員です。最近はスキルの伸び悩みを感じています。そこで最近流行っているコーチングを受けたらヒントを得られないだろうかと考えました。

Dさん「そこそこのことはできているようで、今よりスキルアップする方法が解らないのです。」

コーチ「経験学習モデルを使いましょう。まずは経験学習モデルとは何かについて参考になるサイトをお教えします。」

経験学習とは?経験学習モデルや経験学習のための具体的手法などについて解説

コーチ「これを使って、最近の案件や苦労した案件を振り返ってみましょう。」

Dさん「いつも振り返って考えてはいるのですが。」

コーチ「では私と一緒にもっと深掘りしてみましょう。まずは上手く行かなかったことを洗い出してみましょう。書き出してどうすればよかったか、一緒にやってみましょう。」

こうしてDさんは色々書き出しながら、コーチがこういう捉え方もできませんか?と指摘してくれました。

Dさん「いい苦労も嫌な苦労も沢山ありますが、嫌な苦労でも反面教師として学びがあるのですね。」

コーチ「何事からも学んじゃいましょう。そして今の仕事に活かせるものは活かしていきましょう。」

上手く行った、上手く行かなかったという感想で終わってはもったいないです。

上手く行った要因と上手く行かなかった要因、上手く行ったことで得られたこと、上手く行かなかったことで得られたこと、そして想定外に得られたものについて考えてみましょう。

行動力を磨く

Eさんはメーカーの開発部に勤務しています。新製品のアイディアがあるけど、売れるか不安で量産に入れません。心配で何度もシミュレーションをしてしまいます。

あるときビジネス系ニュースサイトを見ていたら、仕事で悩んだときはコーチングを受けるといいという記事を見つけました。Eさんは試しにコーチングを受けてみることにしました。

Eさん「新製品のアイディアがあって、開発も済み、後は量産するだけなのです。リサーチも事前にやってから開発に取り組み、自信もあったのですが、量産を前にして自信が無くなってきました。」

コーチ「小さく始められませんか?いきなりホームランは打てませんよ。まずは一歩ずつ進みましょう。今すぐできそうな小さなことはありませんか?」

Eさん「試供品を配るとか、クラウドファンディングをしてみるという方法はありますね。」

コーチ「そうです。いきなり大きな一歩は踏み出せませんが、できるところから小さく始めれば、行動しやすいのです。それに悩んでいるうちに競合に先を越されたら悔しくないですか?」

Eさん「それは悔しいですね。だったら尚更早く販売できるように、小さくてもやってみるようにします。」

行動に起こせないときは、大きなことをやろうとしているとか、失敗を気にしすぎているケースがあります。そういうときは小さなことかややってみるのがいいです。

「一瞬で自分を変えるセルフコーチング」でもそういう質問をするといいという解説がでてきます。

またマネジメントにおいても、アジャイルとかプロトタイピング、テストマーケティングなど、小さく実験してみる手法が存在しています。

終わりに

今回はコーチングの本を読んで気付いたことを、例にして書いてみました。

本当はコーチングを受ければもっと深掘りして、もっと励ましてもらえるでしょうけど、ここでは書籍を元ネタとした簡易的な例にしています。

人は一人では悩んで行き詰ってしまいます。かといって周囲の人も忙しいものなので相談できる範囲にも限りがあります。だからこそ相談相手としてコーチという専門家がいるのでしょう。

また最近はマネージャーにもコーチングが求められるようになっているという論文も見かけます。これもごもっともですね。20世紀みたいな叱咤激励でモチベーションを上げる時代じゃないですから。

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