センスなんて不要!アイディアを沢山出すための発想法を9つ解説!

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アイディアを沢山出すための発想法

仕事でもプライベートでも、アイディアを出す必要があるシーンは多いものです。そんなときにアイディアが次から次へと出てきたらいいですよね。でも中々でない中、無理して絞り出さなければいけないことも多いです。

今回は次のような方のために、アマチュアクリエイターをやっている私が色々な本を読んだり、創作をやったりして学んだ方法を9つ解説します。

  • アイディアをもっと出せるようになりたい
  • アイディアを出すコツを知りたい
  • アイディアが出なくて困っている
  • 企画職に異動になってしまった
  • 難題にぶち当たって悩んでいる

それでは始めましょう。

Contents
  1. アイディアを発散させてから収束させる
    1. アイディアはできるだけ沢山並べる
    2. 出したキーワードをグループ化する
  2. クリエイティブワークのプロセスを使う
    1. クリエイティブワークのプロセス
    2. プロセスによる制約
    3. 企画フェイズの意義
    4. 方式検討フェイズの意義
    5. 設計フェイズの意義
  3. クリエイティビティを式で考えてみる
    1. クリエイティビティはインプット×考え方
    2. クリエイティビティにおけるインプット
    3. クリエイティビティにおける考え方
    4. アウトプット
  4. バリエーションを考える
    1. バリエーションとは何か
    2. バリエーションのメリット
    3. まずは身の回りでバリエーションを見つけてみよう
  5. 組み合わせを試す
  6. ラフ書きと連想ゲームでアイディアを出す
    1. まずは手書きでラフ書きをする
    2. 連想ゲームでアイディアを広げる
    3. ラフ段階でアプリをお勧めしない理由
  7. 場所を変える
    1. まずはインプットと試行錯誤
    2. インプットと試行錯誤後に場所を変える
    3. 違うことをインプットする
  8. 一旦寝かせる
    1. 寝かせるとアイディアを閃く
    2. 一旦寝かせてインプットする
    3. 閃いたら成果物をブラッシュアップする
  9. 制約を活用する
    1. 制約がないと逆に困る
    2. 作曲における制約の効果
    3. デザインにおける制約の効果
  10. 終わりに

アイディアを発散させてから収束させる

アイディアはできるだけ沢山並べる

最初はアイディアの量が大事

クリエイティブワークが始まったら、まずはアイディアを並べます。できるだけ沢山並べるのが良いです。思いつく限りどんどん絞り出しましょう。

出たアイディアを見て、新たなアイディアを思いつくこともあります。だからどんどん出して、出したものを見て考えて、まだ次のアイディアを出すということを繰り返します。

一人でアイディアを考えるときも、複数人でアイディアを考えるときも、とにかくアイディアを沢山出してみましょう。まずはです。極端なことを言いますが、実現可能性なんてどうでもいいです。バカバカしくても全然いいです。

極論ですが、どこでもドアみたいなものというアイディアでもOKです。アバターインという疑似的に似たようなことをできる技術だって存在していますので。

アイディアはとにかく沢山出す
アイディアはとにかく沢山出しましょう。まずは数がものを言います。

ブレインストーミングが使われる理由

ブレインストーミングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。2010年前後にビジネス書で流行ったかと私は記憶しています。企画に携わる方は仕事で利用されているかもしれませんね。

これも上記で述べたアイディアをとにかく沢山出すのと同じことです。まずはアイディアの量を出して、それを見て新たなアイディアを思いつくことがあるからです。

それをみんなでやりましょう、何でもいいからみんなでどんどんアイディアを出しましょうというのがブレインストーミングです。

アイディアはまずは量を出すことが重要だから、ブレインストーミングというものが出てきたのです。

アイディアを並べる
ブレインストーミングなどの方法によってアイディアを沢山並べて目で見ることができます。

出したキーワードをグループ化する

アイディアを沢山出したら、次はアイディアをまとめていきます。具体的には、類似のものをグループとしてまとめる方法がKJ法として一般的に知られています。

グループ化してまとめ終わったら、どんどん絞り込んでいきます。あれもこれもというわけにはいきません。そんな企画では何がやりたい・言いたいのか解らなくなってしまいますので。

絞り込むために、コンセプトなど今回やりたいことに沿うかどうかを判断しましょう。今回やりたいことに沿わないアイディアは切り捨てます。最終的に今回採用したいアイディアに絞り込めればOKです。

それでも複数のアイディアが残ってしまったら、誰かに相談したり、試作品を作って見比べたりしてみましょう。

アイディアをグループ化する
アイディアを出したら、KJ法などの方法によってグループ化します。

クリエイティブワークのプロセスを使う

クリエイティブワークのプロセス

クリエイティブワークのプロセスについて、まずは画像を提示します。

クリエイティブワークのプロセス
クリエイティブワークにはプロセスがあります。順を追って作業をすることで、作業をしやすくできます。

制作とテストはイメージが付きやすいと思います。その名の通り、作ることと検証することです。他のフェイズについてはイメージが付きにくいかもしれません。そのため後ほど解説します。

図を見ての通り、手を動かすのは後ろの方のフェイズです。手を動かす以前の、考えたり決めたりするフェイズの方が長いのです。ここが重要なポイントです。

プロセスによる制約

何もない状態から考えて決めるのは困難です。それゆえクリエイティブワークにもプロセスが存在しています。

どこで読んだか忘れましたが、有名な建築家が「制約がある方がクリエイティビティが高まる」と言ったそうです。

建築の場合、土地の形(四角や三角など)や立地、用途などが決まってからどういう建物にするか検討します。つまり土地の形や立地、用途が決まるからこそ、アイディアが出せるようになるのです。

これに倣うと、順番に少しずつ固めていくことで作りやすくなると考えられます。いいアイディアが思いつかない、自分にはクリエイティビティがないという方は、まずはプロセスに沿って1段階ずつ決めていくことを私は提案します。

企画フェイズの意義

企画フェイズでやることは、何を伝えるか?というコンセプトを決めることです。

コンセプトの役割

コンセプトを決めることで、アイディアを考えるときも、取捨選択に迷ったときも、コンセプトを基準に考えることができます。

いわばぶれないためのです。軸があることで、当初と違う方向性に進んで路頭に迷うということを防げます。また手段が目的化したりするのも防げます。迷ったときにコンセプトに立ち返ればよいのです。

またチームで何かを作るときにもコンセプトは役立ちます。メンバー全員で目的を共有できるからです。

コンセプトの役割
コンセプトが決まると方向性が定まります。これにより収束しない議論や見当はずれの方向に向かうこと、軸がぶれることなどがなくなります。

コンセプトに沿った例

例えば「楽しい」をコンセプトとした場合を考えてみましょう。

すると楽しいイメージに沿った表現を行うことになります。コンセプトが楽しいなのに、暗い雰囲気や寒色、ネガティブな言葉を使ったら矛盾してしまいます。そのためコンセプトに沿わない表現やアイディアは使わないようになります。

楽しいがコンセプトであれば、明るい色やポジティブな言葉、楽しそうにしている写真などを使った方がいいという考え方になります。コンセプトによって方向性が定まるのです。

方式検討フェイズの意義

方式検討フェイズでやることは、コンセプトを伝える媒体を決めることです。

コンセプトによって媒体を絞り込める

例えば新鮮なフルーツを使ったスムージーを作ったとしましょう。この商品の売りはフルーツの美味しさが詰まっていることです。コンセプトはフルーツの美味しさを伝えることになります。

スムージーですので、お店で流通します。すると媒体はTVCM、広告、商品パッケージなどになります。TVCMはYouTubeで流してもいいですね。

このように伝えること(コンセプト)が決まると、次は伝える媒体を決めることになります。コンセプトによって適切な媒体は異なるため、媒体選びの範囲をコンセプトで絞り込むことができます。

媒体の役割
コンセプトに沿った媒体を選ぶことで、さらに議論やアイディアの範囲を絞り込めます。

コンセプトを伝えるのに最適な媒体を選ぶ

続いてもう1つ例を考えてみましょう。今度は家族や友達をテーマとして伝えたいとしましょう。抽象的なお題ですね。

こういうものを伝えているものとして、映画やマンガ、ドラマ、ゲームなどが思いつく方もいらっしゃると思います。その通りです。

伝えたいことを最も伝えられる媒体を選べばよいのです。ただし実際の仕事においては、予算や政治的事情という別の制約も存在する可能性があります。本題からずれるので、ここではこれらの詳細について触れません。

設計フェイズの意義

コンセプトと媒体が決まったら、次は設計です。設計フェイズでやることは、アイディアを集め、表現手法や技術を選択することです。

設計の例

「楽しい」がコンセプトで、媒体が広告の場合を考えてみます。

この場合、下記のような表現手法が考えられます。

  • 楽しそうなシーンの写真、例えばみんなでワイワイにぎやかに楽しんでいそうな写真を使う
  • ゆるいキャラクターのイラストを使う
  • 明るい色を使う
  • 素材を沢山配置してにぎやかさを出す

コンセプトと媒体が決まれば、こういう素材を使えばいいんじゃないか?こういうフォントとか色はどうか?というアイディアを集めやすくなります。アイディアの方法性が決まってくるためです。

またアイディアを実現するための素材や、素材を作る技術、表現する技術(レイアウトやタイポグラフィーなど)なども決まってきます。

コンセプトと媒体を決めることの効果
コンセプトと媒体が決まることで、使えるアイディア・素材・技術が絞られてきます。

クリエイティビティを式で考えてみる

クリエイティビティはインプット×考え方

クリエイティビティはインプットが重要です。

インプットがなければアウトプットは出てきません。クリエイティビティは魔法ではありません。インプットという素材が必要不可欠です。私が今更言わなくても、多くのクリエイターがインプットの重要性を説いていると思います。

これに加えて私が重要と考えているのが考え方です。クリエイティビティを式で表すなら、次のようになると私は考えています。

インプット×考え方=アウトプット

インプットは知識や情報、経験など引き出しの多さです。考え方は組み合わせ、連想、バリエーションなど考え方そのものです。

クリエイティビティの式
クリエイティビティを式で表すと、インプット×考え方=アウトプットとなります。

それでは順番に解説していきましょう。

クリエイティビティにおけるインプット

インプットとは何か

クリエイティビティにおけるインプットは知識、情報、経験と考えておけば十分です。

クリエイターでもセンスはインプットとか、センスは知識という方がいますし、引き出しを増やそうという方もいます。私は趣味で作曲をやっているのですが、作曲本でもプロの作曲家があらゆる体験が引き出しになると書いています。

デザインや音楽の本を何冊も読んでも、センス=特別な才能が必要というクリエイターはいません。インプットの重要性を説いています。

あなた自身の過去の経験もインプットになります。「これ昔見たこと/やったことあるぞ」となれば、経験そのものが重要なインプットです。

取り組むべき課題に対する知識・経験によってインプット量は変わる

詳しくない分野においては、まずはインプットをすることが先決です。入門書籍などで知識を増やし、参考資料をかき集めます。

逆に詳しい分野においては、既に持っている知識や経験で出せるアウトプットが多いです。参考資料をいくらか集めるということになるでしょう。

クリエイティビティにおけるインプット
詳しくない分野では学習や参考資料によってインプットを集める必要があります。詳しい分野では既にインプットが沢山あります。

クリエイティビティにおける考え方

クリエイティビティにおける考え方は、組み合わせ、連想、バリエーションなどがあります。他には置き換えもあります。

組み合わせ、連想、バリエーションはこの記事内の別の項で解説しています。この項では置き換えについて考えてみましょう。

例えばライスバーガーについて考えてみましょう。これはハンバーガーのパンをご飯に置き換えたものです。

あるいは利用シーンの変更という考え方があります。PCやCDプレイヤーなどは元々は据え置きで使うものでした。ノートPCやウォークマン、iPodなどはそれを持ち運んで使えるようにしたものです。家だけではなく、外でも使えるようにしたのです。

クリエイティビティにおける考え方
クリエイティビティにおける考え方は沢山あります。よく使われるのは組み合わせ、連想、バリエーションなどです。

アウトプット

クリエイティビティにおけるアウトプットとはアイディアそのものです。まぁこれは言うまでもありませんよね。

料理に例えると、インプットは食材、考え方は調理法(煮る、焼く、炒めるなど)、アウトプットは完成した料理ということになります。

インプットと考え方を増やしていけば、アウトプットをドンドン出せるようになっていきます。

クリエイティビティにおけるアウトプット
クリエイティビティにおけるアウトプットはアイディアや発想などです。インプットと考え方を増やすことで、アウトプットを増やしましょう。

バリエーションを考える

バリエーションはとても手軽にアイディアを増やせる方法です。特に商品開発で有効です。

バリエーションとは何か

バリエーションとは変量、変化、変種という意味です。お菓子やアイスの味で具体例を示すと、チョコ、小豆、フルーツ、抹茶などが該当します。お菓子やアイスの場合は味のバリエーションがあるということになります。

飲み物でも同様です。フルーツ系のジュースと言えば、りんご、オレンジ、パイン、キュウイ、マンゴー、ピーチなどがあります。ジュースだけでなく、フルーツと牛乳を組み合わせた飲み物もあります。

お酒でもチューハイやカクテルにおいて、色々なフルーツの味がありますよね。これらも味のバリエーションがあるということです。

味のバリエーションの例
フルーツジュースのバリエーションの例です。バリエーションによって、同じ商品でも色々な価値を出せます。

このようにバリエーションという考えを使うと、同じ商品でも色々な価値を出すことができ、バリエーションにおける個々はそれぞれ価値が違うのです。

バリエーションはお菓子やアイス、飲み物に限りません。フライドポテトにも色々なフレーバーがあります。ドレッシングだってバリエーションが豊富です。パスタソースもですね。さらに言うと歯磨き粉も同じ商品に複数の香味があったりします。

また世の中の多くの製品にはカラーバリエーションが存在します。同じ製品でも色が2~3種類用意されていることが多いです。人気商品だと10種類くらい存在することもあります。

バリエーションという考えを知っていると、簡単に商品の幅を広げられるのです。また期間限定のお菓子やパンなどでは、バリエーションの考え方が役に立ちます。

バリエーションのメリット

顧客に繰り返し購買してもらえる

バリエーションがあると、顧客に繰り返し買ってもらえる可能性が出てきます。具体的にどういうことか解説していきます。

例えば飲食店にメニューが一つしかない場合を想定してください。そんな極端なことは、名品一つで勝負しているお店でしかありえませんが、例えばの話です。

メニューが一つしかない場合、一回食べたら満足してしまいます。しかしメニューが複数あれば、次は違うものを食べてみようとなります。つまり幅が広いことで何回かお店に足を運んでもらうことが可能なのです。

お菓子や飲み物も同様です。「今回はオレンジ味が美味しかった。次はレモン味にしてみようかな。」となれば同じ商品でも複数の味を買ってもらえるので、購買回数が増えます。顧客からしても、バリエーションがあると気分転換になって、複数回楽しめるのです。

バリエーションは反復購買につながる
バリエーションがあることで、次は別の商品を選んでみようと思えます。

顧客の好みに合わせられる

バリエーションがあると、顧客の好みに合わせられる可能性もでてきます。セミカスタマイズのような効果があります。

例えばお菓子や飲み物でいうと、柑橘系が好きな人であれば、レモン味やグレープフルーツ味を好むと思います。甘いフルーツ系が好きな人なら、マンゴーの受けがいいかもしれません。和な味が好きな人なら、小豆や抹茶が好きそうです。

食べ物や飲み物でなくても、道具などでも、色の好みが人それぞれあります。ピンク系が好きな人もいれば、青系が好きな人もいます。顧客の色の好みを特に重視しているのがアパレルでしょう。同じデザインの服でも、カラーバリエーションがあることはいたって普通です。

このようにバリエーションにはセミカスタマイズ(この言い方はちょっと大げさですが)のような効果があります。

バリエーションは好みに合わせられる
バリエーションを用意することで、顧客の好みに合わせられます。

まずは身の回りでバリエーションを見つけてみよう

このブログではクリエイティビティではインプットが重要だという記事も書いています。

私はクリエイティビティを高めたければインプットしろと何度でもしつこく言います。

というわけで、買い物に行ったときにバリエーションも見てみるとインプットになります。このカテゴリーの商品はどんなバリエーションがあるのかとか、このカテゴリーの商品にはこんなバリエーションもあるのかという気付きが得られることもあります。

最近私が気付いた珍しいバリエーションの例を挙げます。イワシの缶詰にアヒージョと花椒(中国の調味料)という味があります。

日本のいわし アヒージョ

日本のいわし 花椒風味

あなたも面白いバリエーションを探してみてください。

身の周りでバリエーションを探してみよう
身の周りにある商品にもバリエーションはあります。面白いバリエーションを探してみましょう。

組み合わせを試す

組み合わせについては、イノベーションで有名な経済学者であるシュンペーターイノベーションとは既存のものの新しい組み合わせであると言っています。

例えばコーヒー牛乳はコーヒーと牛乳の組み合わせです。全然違う飲み物を組み合わせていますが、好きな方はそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。

サバカレー缶イワシカレー缶という商品があります。スーパーにはあまり置いてないのですが、銚子市のふるさと納税で手に入ります。これらは鯖缶やイワシ缶などの魚の缶詰とカレーを組み合わせたものです。

カレーに組み合わせる魚というと、魚のフライを思いつきます。しかし意外にも魚の缶詰との組み合わせなのです。

今ではスッカリ定着したスマホも登場当時はイノベーション扱いでしたし、iPhoneはイノベーションの例としてよく取り上げられます。

しかしiPhoneを含むスマホは、携帯電話、PCのようなOS、タッチパネルという当時の技術で実現できていた要素の組み合わせです。全く未知の道具を生み出したわけではなく、シュンペーターが言うように既存のものの新しい組み合わせだったのです。

組み合わせは今までにないアイディアにつながる可能性を秘めています。身近で気に入る商品を見つけたら、要素に分解してみるのも組み合わせを学ぶヒントになります。

ラフ書きと連想ゲームでアイディアを出す

手軽にアイディアを出しまくって、落書きレベルでもいいから書き出してみて、それから連想してみるという方法も有効です。

まずは手書きでラフ書きをする

いきなりPCに向かうと、清書することを考えてしまいます。よってお勧めしません。まずは紙とペン(鉛筆でもシャープペンでもボールペンでも、なんでも好きなものを使ってください)を出して、思いつく限りアイディアを書き並べてみましょう。

キーワードをどんどん並べるのが基本的なやり方です。そこに絵や図、表などを加えてももちろんOKです。アイディアであればどんどん付け加えていきましょう。

連想ゲームでアイディアを広げる

アイディアを出したら、いったん眺めてみましょう。そして考えてみましょう。ここで連想ゲームをします。

今書かれているアイディアから連想ゲームをして、アイディアの幅を広げていきます。例えば「りんご」と書かれていたら、下記のような連想ができます。

  • 赤い果物として「いちご」や「さくらんぼ」
  • メジャーな果物として「みかん」
  • 「りんご」のレシピとして「アップルパイ」
  • 「りんご」を飲み物にして「りんごジュース」
  • 「りんご」から思いつくストーリーとして「毒リンゴ」
  • 「りんご」のバリエーションとして「青りんご」
  • 「りんご」のお菓子として「りんご飴」

ちょっと考えただけでも色々なアイディアが連想できます。こうやって1つアイディアを出しては、そこから次のアイディアを考えるということをやっていきます。アイディアはつながりながら広がっていくのです。

連想ゲームをしてアイディアを広げる
思いついたアイディアから連想ゲームをすることで、アイディアをさらに広げられます。

ラフ段階でアプリをお勧めしない理由

メモならPCのテキストエディタやスマホのメモアプリでいいんじゃないか?と思う方もいらっしゃるかもしれません。備忘録ならそれでいいです。しかしアイディアを出すときこれらのツールを使うことを私はお勧めしません。

理由は関連を表せないからです。手書きなら、メモしながら線を引っ張って新たなメモを書いたりできます。このアイディアを見て、次にこんなアイディアを発展形として思いつくということが起こります。テキストエディタやアプリではこういうことが難しいです。

関連を表すことはExcelなどでもできますが、手書きよりは面倒になります。アプリは清書向きであって、考える過程においては使いづらいのです。

場所を変える

場所を変えると気分が切り替わってアイディアが出るときがあります。簡単にできる割には意外と有効なのに、あまり存在を知られていない方法です。

まずはインプットと試行錯誤

まずはできるだけインプットと試行錯誤をしましょう。脳は作業を中断しても情報の整理を続けているためです。これについてはこちらの本に書いてありました。

脳が認める勉強法 「学習の科学」が明かす驚きの真実! [ ベネディクト・キャリー ]

よってまずは悩み抜いてみましょう。インプットと試行錯誤を繰り返して、これ以上思いつかないというところまで来たら中断しましょう。そして出かけるなどして環境を変えましょう。

ちなみにインプットは参考になる知識や情報などのことを指します。参考になりそうなものを思いつく限り片っ端から当たって、試してみて、それでもいいアイディアが出ない、上手く行かないとなったら中断しましょう。

インプットと試行錯誤後に場所を変える

インプットと試行錯誤をして行き詰ったら場所を変えましょう。出かけてしまうのが早いです。一旦頭を切り替えることが大事です。

違うことをやっていても、脳は情報処理を続けるので、全然関係ないことをしていてもいいのです。むしろ外に出て色々なものに触れた方がいいです。マンガや小説で主人公が全然関係ないことや意外なことからヒントを得ることがあります。あれも作者の体験かもしれません。

アイディアは意外なところから出てきます。場所を変えた方が頭が切り替わる上に、インプットも多いのです。

違うことをインプットする

インプットは大事です。クリエイティビティはインプットなくしてアウトプットなしです。

アイディアは組み合わせたり応用したりしていいのです。むしろそうすることでアイディアが発展します。だからこそ出かけて色々なものを見てアイディアを吸収するのです。アイディアを見ては今抱えている問題・課題に応用可能か考えるのです。

色々なものを見ようと思ったら、商業施設やホームセンターは有効です。取り扱っている商品の幅が広いからです。商品だけでなく店舗のデザインやレイアウトにもアイディアが詰まっています。100円ショップも実に多様な商品が置いてあって面白いです。

自分の趣味に関するお店や好きなブランドのお店、普段行かないお店も気分転換になると同時に、日頃気付かなかった意外なアイディアを得られる可能性があります。

どこに行けばアイディアを閃くとか、何を見ればアイディアを閃くという法則や正解はありません。よって色々な場所に行って色々なものを見てみるしかありません。

一旦寝かせる

寝かせるとアイディアを閃く

先ほども書きましたが、脳は作業を中断しても、無意識下で情報の整理を続けているそうです。以前脳が認める勉強法という本を読んで知ったことです。

脳が認める勉強法 「学習の科学」が明かす驚きの真実! [ ベネディクト・キャリー ]

皆さんは仕事帰りの電車や風呂、トイレなどで閃いたことがありますでしょうか?仕事で困った問題が起きて悩んでいるときなど、仕事から離れてしばらくしたら、いい方法を閃いたということがありませんか?

有名な話だとアルキメデスの法則がありますね。アルキメデスは王冠が金でできているか調べる方法について悩み続けていました。

悩み抜いた末、風呂に入って湯がこぼれたのを見て、アルキメデスの法則を閃きました。喜びのあまり裸で家の外に出て広場を走り回ったと聞いたことがありますが、真偽は解りません。

脳の情報処理がある程度できた状態できっかけがあると、知と知が結びついて閃きになるのです。

一旦寝かせてインプットする

やれるだけのことをやったら一旦寝かしてみましょう。問題解決の場合は、調べ尽くして考え尽くしたら一旦頭を切り替えます。企画の場合はアイディアを出し切って、参考資料も漁れるだけ漁ってから頭を切り替えましょう。

作品を作っている場合も、これ以上やることがなさそうだなというところまで作ってから頭を切り替えましょう。

ここで重要なのは脳に負荷を十分にかけてから頭を切り替えるということです。そうしないと新たな閃きをする土台となる情報が集まっている状態にならないからです。

寝かせたら頭を切り替えて違うことをしましょう。人と話したり、色々なものを見たりしてインプットをしましょう。色々な作品を鑑賞するのもいいでしょう。これは応用できそうかな?とか、組み合わせられそうかな?こんな表現もあるんだという視点で色々なものを見れるとよいと思います。

仕事ではお出かけや鑑賞をする時間はないですが、休憩スペースに行ったり、近所のコンビニにおやつや飲み物を買いに行ったりする時間で頭を切り替えましょう。あるいは職場の人と会話をしてみるなども頭が切り替わり、違う観点からヒントを得られる可能性があります。

これをすればいいという正解はないのですが、一旦目の前の作業から離れた方がいいです。あまり熱くなりすぎても空回りしますので。

寝かせるとオリジナリティが高まると言う研究結果もあります。詳細はこちらの本に書かれています。

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 [ アダム・グラント ]

レビュー記事も書いています。

【読書】ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

閃いたら成果物をブラッシュアップする

インプットを沢山して閃いたら、寝かせていた成果物をブラッシュアップしましょう。上手く行っていい感じに仕上がればOKです。今一なら調整を繰り返しましょう。最初から思い通りになんて行きません。アイディアが閃いただけでも上出来です。それでもダメなら新たなインプットを探しに行きましょう。

これを繰り返せば作品が熟成されていきます。しかし無限に熟成させるわけにはいかないので、どこかで完成させる必要があります。最後の晩餐のように5年も10年も寝かすのは非現実的です。

制約を活用する

制約は妨げになることが多いですが、実はアイディアを出すのに役立つこともあります。

制約がないと逆に困る

建築には制約が必要

有名な建築家が、制約がある方がクリエイティビティが高まると言ったそうです。

例えばどんな土地かという制約なしにとりあえず建物を建てていいよと言われたらどうしましょう?土地が決まっていない、用途も決まっていない中で何を建てろというのでしょう?理想の建物を建てるのはありですが、建てたところで誰が使うのでしょうか?

こう考えると、建物を建てるときには土地の形や面積、建物の用途などの条件が必要ということになります。これらは要件であると同時に制約にもなります。

三角形の土地に建物を建てるケースで考えてみる

例えば三角形の土地しかありませんでした。でも家を建てたいですというケースを考えてみましょう。三角形の土地というのは制約です。本当は四角形の土地の方が設計も施工もやりやすいでしょう。多くの建物が四角形なわけですから。

しかし三角形だからこそ選択肢を絞り込むことができます。三角形だと斜辺に当たる箇所の面積を広くできます。これを活かして日を大きく取り込むとか(斜辺の部分が南側にある場合に限りますが)、壁面に何かを飾ると言うアイディアもありだと思います。

三角形の土地に建物を建てるという制約
三角形の土地に建物を建てるという制約があると、斜辺の部分で光を取り込むという発想が出ます。

このように制約が決まると、それに合ったアイディアを出せるようになりますし、アイディアの方向性や選択肢が絞れてきます。これが制約がクリエイティビティを高める理由です。

作曲における制約の効果

作曲は制約を設けて行う

建築の次は作曲で考えてみましょう。こちらも創造性がものを言うカテゴリーですね。

自由に何でもいいから曲を作ってくださいと言われたらどうしましょう?たとえコンテストでもこういうテーマの曲を作ってくださいというお題はあると思います。

作曲をする際もコンセプトやテーマというものを決めます。コンセプトやテーマが制約となり、制約に沿ってアイディアを出して作品を作っていくことになります。

コンセプトを決めて、それに沿って固めていくというやり方については、先ほどのクリエイティブワークのプロセスの話を参考にしてください。

制約が決まれば具体的なことが決まっていく

曲のコンセプトを決めたら、それに合った雰囲気を出せるキーやコード進行、使う楽器、モチーフとなるフレーズなどを決めます。キーが決まれば使える音が決まります。基本的にはキーによって使える7つの音が決まります。つまり制約そのものですね。

コード進行が決まれば、曲の流れる雰囲気や各小節でよく使う音が決まります。コンセプトによって使う楽器がアコースティック楽器だったり、電子音の打ち込みだったり、オーケストラだったりします。

モチーフとなるフレーズは変化させながら色々な個所で使われたりします。ポップミュージックやロックなど現代音楽なら主にイントロやサビ、間奏のソロですね。

コンセプトやテーマを決めれば、それに合わせて選択肢が絞り込まれていきます。コンセプトやテーマは創作における制約なのです。

だからどんなアイディアを出していいか解らないときや、そもそもアイディアが出ないときは、制約を決めてみることが有効な手段です。

デザインにおける制約の効果

デザインも制約が必要

デザインにおいても制約は効果を発揮します。例えばテーマカラーやターゲット、媒体などです。もしこれらが全く決まっていなかったら、何でもありで何にすればいいのか解りません。つまりデザインにおいても制約がクリエイティビティを高めるのです。

制約があればデザインの方向性が見えてくる

目的がエネルギッシュなイメージの商品の宣伝、あるいはコーポレートカラーが赤の会社の宣伝だと決まったとしましょう。それなら赤をメインカラーとして配色すればいいということになります。緑や青、紫などを使うと、目的と大きく違うイメージになってしまいます。

ターゲットがアウトドア好きなら、山や森をイメージするような色、自然の風景やアウトドアスポーツの写真を使うというアイディアを思いつきます。これらはターゲットという制約が決まったから出てくるアイディアです。

デザインにおいても、決めるべきことを決めることで制約となって、アイディアが絞り込まれていきます。そしてテーマやターゲットなど制約となる項目が存在するのです。デザインにおいても制約はクリエイティビティを高めるのです。

終わりに

今回は私がアイディアを出すために使っている方法をありったけ書いてみました。いずれも何かしらの本に書かれていることでしょう。

アイディアを出すのに必要なのはセンスなどと呼ばれる特別な才能ではありません。後天的なトレーニングによってアイディアを出せるようになることは可能です。

是非ともアイディアを出す方法やコツを身に付けて、アイディアを次々に出せる人になってください。生産性が劇的に上がりますよ。

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