【計算例付き】株式指標を使って投資先企業を評価しよう

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株式指標の計算

近年は貯蓄から投資へと言われ、NISAのような非課税で投資ができる制度ができました。会社の人と話していても、投資信託をやっているという話を聞くことが増えてきました。

私も昔ブランド戦略会社にいたときに、社内に株をやっている人が沢山いて、株主優待が大好きな先輩に教えてもらって株を始めたものです。詳しくはnoteに書いています。

株を10年やってみた感想

最近は株にもっと力を入れてみようと考えています。そこで今回は投資先企業を評価するための株式指標の話をします。投資に興味がある方、既に株をやっている方の参考にしていただければと思います。また会計やファイナンス、FPの勉強をしている方にも参考になればいいなと思います。計算式の備忘録でも歓迎します。

よく使われる株式指標

投資先企業を評価するためによく使われる株式指標があります。代表的なものはEPS、BPS、PER、PBR、ROE、ROAです。

指標計算式意味
EPS当期純利益÷発行済株式数Earnings Per Shareの略。
1株当たりの純利益。
Earningsが純利益、Shareが株式数。
「1株当たり」のため株式の総数で割る。
BPS純資産額÷発行済株式数Book-value Per Shareの略。
1株当たりの純資産額。
Book-valueが純資産額、Shareが株式数。
「1株当たり」のため株式の総数で割る。
PER時価総額÷当期純利益Price Earnings Ratioの略。
株価収益率。
Priceが株価、Earningsが純利益。
PBR時価総額÷純資産額Price Book-value Ratioの略。
株価純資産倍率。
Priceが株価、Book-valueが純資産額
ROE当期純利益÷純資産額Return on Equityの略。
自己資本利益率。
Returnは利回り、Equityは資本。
投資した金額に対するリターンの比率。
ROA当期純利益÷資産額
経常利益÷資産額
営業利益÷資産額
Return on Assetの略。
総資産利益率。
Returnは利回り、Assetは資産。
代表的な株式指標

EarningsもReturnも利益なので日本人としてはややこしいですが、英語のニュアンスとしては、Eearningsは稼ぎ(事業で稼いだ結果)、Returnは投資に対して得られた結果なのかなと私は考えています。

ROAには当期純利益で計算するケースと経常利益を使うケース、営業利益を使うケースがあるようです。中小企業の場合は財テクによる収入(損益計算書でいう営業外損益)が少ないため、本業の利益である営業利益を使うとよいようです。

ROA(総資本営業利益率)に着目!

いずれも貸借対照表と損益計算書が読めることが前提条件となります。もしここに出てきた資産とか純資産、当期純利益、経常利益、営業利益ってなんだっけとなったら、こちらを参照してください。

指標の計算例

A社の決算書の値及び株価と発行済株式数は下記のようになっています。

科目金額単位
資産7,500千円
純資産7,000千円
営業利益4,200千円
経常利益20,000千円
当期純利益8,000千円
株価2,000
発行済株式数31,500
A社の決算書の値及び株価、発行済株式数

株式指標を計算してみましょう。ちなみに時価総額=株価×発行済株式数です。この手のものはExcelでやってしまうのがいいです。今回の例題程度だったら手計算や電卓でも可能ですが、今後投資をやって行く上で、あるいは転職先や取引先の業績が気になるので分析してみるなどの場合に、Excelの方が楽です。分析する会社が増えれば増えるほどExcelの方が楽になります。

指標単位
EPS133.3
BPS2539.7
PER15
PBR0.7875
ROE5.25%
ROA(当期純利益)2.1%
ROA(経常利益)3.5%
ROA(営業利益)3.75%
A社の株式指標の計算結果

一番楽なのは、計算式を埋め込んだExcelを作っておくことです。そうすれば決算書などから値をコピペするだけで指標が出てきます。

終わりに

公式を覚えるのは面倒くさいですが、覚える指標はそう多くありません。そして学校や資格の試験じゃないので、Excelに頼ってもOKです。効率良く企業を分析し、投資先を選びましょう。

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