初めてのマネジメントで悩む人のための上手くやるコツ5選

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初めてのマネジメントを上手くやるコツ

初めてマネジメントを任されると、解らないことだらけになりますし、不安やプレッシャーも発生します。

任せる人は基本的には上司とか前任の責任者なので、マネジメントに慣れています。そういう人からすれば普通でも、初めてマネジメントをする人から見れば普通ではありません。

今回は私が初めてプロジェクトマネージャーを任されたときに悩んだことを基に、こういうことを知っていれば何とかできそうということを解説します。

初めて管理職になった方や初めてプロジェクトマネージャーになった方など、初めてマネジメントに携わることになったけど、解らなくて困っている、悩んでいるという方に参考にしていただければ幸いです。

全体を把握する

マネージャーになると全体を把握する必要がある

管理職やプロジェクトマネージャーなど、マネジメントに携わる人は、自分のチームが担当する仕事全てに責任を持ちます。よって自分のチームが担当する仕事を全て把握している必要があります。

つまりまずは自分のチームに与えられた仕事の全体像を把握することが大事です。

メンバー時代は自分の担当範囲だけ把握していれば十分でした。しかしマネージャーになると他の人の担当範囲も含めて、自分のチームが担当する範囲全てを知っていなければいけません。

把握する仕事の範囲が劇的に広がることで、まずは吸収しなければいけない知識や情報が増えます。ここで解らないことが実は沢山あると気付くのです。

マネージャーになると、自分が関わったことがなくて知らない仕事をメンバーに振ったり、そのような仕事について他部署や他社の人と調整したりしなければいけなくなります。

だからまずは自分のチームが担当する全ての仕事を把握する必要があります。ただし詳細はメンバーに任せて、概要をしっかり押さえておきましょう。

トップダウンで把握していく

自分のチームが担当する仕事を把握するときは、トップダウンで把握していきましょう。

最初に全体の範囲を押さえ、次に各仕事の概要を把握します。それから自分が担当する分の詳細を把握していきます。

いきなり個別の仕事を細かく知ろうとしない方がいいです。

地図で例えてみましょう。これからイベントで遠くの都道府県に会場がある施設に行くとします。

まずは都道府県の場所を知り、次に市や区の場所を知り、それから町を調べ、施設の場所を把握するのが一般的でしょう。

いきなりこの施設は○○町らしいけど、どこにあるんだろう?なんて調べませんよね?そもそも色々な都道府県や市区町村に同じ名前の町がありますので、どこの○○町なのかを知る方が先です。

ここで都道府県が自分のチームが担当する仕事の全体の範囲、市や区が各メンバーが担当する範囲、町や建物、施設などが各仕事でやるタスクに該当します。

まずは広い範囲をザックリ知って、個別の仕事の範囲を詳細に知るようにした方が、より楽に仕事を把握できます。

私は新しいプロジェクトが始まるといつもこうしていますし、顧客の仕事を知る際も同じようにしています。

一人で悩まない

マネージャーになると、責任者になったんだから自分が頑張らないとと思ってしまうこともあります。これはこれでいいことです。むしろ自分の責任なんてどうでもいいという考えの人がマネジメントをすると、他人に責任を押し付けたりして問題になります。

しかし人一人が知っている範囲はたかが知れています。ましてやマネジメントは正解がありません。

だから一人で悩んではいけません。

決めることやスケジュール、プロセスやルール作りなどのマネージャーの仕事に関しては、上司などマネジメント経験がある人に聞きましょう。

仕事の詳細や、技術やアイディア、専門知識など仕事の内容に関することはメンバーに相談してみましょう。

ちなみにマネージャーになったらメンバーに指示を出す側ですが、メンバーから教わってはいけないということはありません。むしろアイディアをドンドン出してもらったり、メンバーが得意なことはメンバーから教わったりしましょう。

決められないときは情報を集める

決めることは難しい

メンバー時代はマネージャーに判断を仰いでいればよかったです。しかしマネージャーになると自分がメンバーから判断を求められる側になります。

マネージャーの大事な仕事に決めるということがあります。そして決めるためには判断材料がなければいけません。

しかし初めてマネジメントするときは、決めることに悩みます。本当にこれでいいのか?と悩みますし、どう決めたらいいのかが解りません。

実は決めることができないのは優柔不断だからではないのです。むしろ多くの新人の頃に怒られたかもしれませんが、仕事で勝手なことをしてはいけません。またえいや!で決めてトラブルになることはよくあります。

だからこそ決めることを真剣に考えなければいけません。これがプレッシャーとなって決めることを難しくします。

決めるということに関しては別途記事を書いています。決めることの効果と決められるようになるための方法を解説しています。よかったら参考にしてみてください。

決めるために情報を集める

決めるために必要なものは判断基準となる材料です。

ちょっとした例を挙げてみましょう。

Aさんは写真を撮るのが好きで、遠出してはスマホで写真を撮っていました。しかしもっときれいな写真を撮りたいと感じるようになりました。

そこでAさんは一眼レフの購入を検討しました。しかし一眼レフは安くても10万円以上、高いものは30万円以上とすごく高価ですし、勢いで買えるものではありません。勢いで買って使いこなせなかったら財布にとても厳しいことになります。

こんなとき、どうすればいいでしょうか?情報収集するのがいいですよね。

一眼レフを持っている人に聞いてみる、店員に聞いてみる、一眼レフを使っている人のレビューや実際に撮った写真、ブログなどを読んでみるのがいいでしょう。

今日のおやつみたいな話なら、気分で選べばいいです。しかし仕事でマネージャーが気分や勢いで決めていたら、メンバーが振り回されてしまいます。

仕事でマネージャーが決めることは、個人が一眼レフのような大きな買い物をするように、影響が大きいものです。

よって決められないと悩んだ場合は情報を集めましょう。決して気分や勢いで決めてはいけません。まずは7~8割の確率でこれでいいだろうと思えるくらい情報を集めましょう。

情報の集め方

情報を集めると言ってもどうすればいいんだ?と思うかもしれません。

仕事の情報は仕事の現場にあります。解らないことや知りたいことは、仕事で必要な資料を片っ端から漁ってみましょう。

それでも解らなければ、メンバーや顧客や協力会社など知ってそうな人に相談しましょう。

仕事に関する情報は片っ端から集めましょう。情報が集まれば決めるための材料ができるので、安心が得られます。

進め方を検討するために参考資料を集める

巨人の肩の上に乗る

初めてのマネジメントは解らないことだらけです。しかし人一人が持っている知識はたかが知れています。そこで人の知識を借りる必要が出てきます。

かの有名なアイザック・ニュートンは、巨人の肩の上に乗ると言いました。巨人とは先人たちが残した知識を指します。ニュートンのような歴史に名を残す天才ですら、先人たちの知識は偉大だと言ったのです。

ニュートンは、自分だけの知識では限られたことしかできないが、先人たちの知識を吸収すれば、まるで巨人の肩の上に乗っているかのように広く色々なことを見渡せると言ったのです。

そうなると凡人である我々ならなおさら先人や他人の知識を活用した方がよいです。

こちらの記事にも他人の知識を借りることや巨人の肩の上に乗ることについて書いています。

資料や資産を片っ端から漁って参考にする

会社や部署が貯めた資産や過去の案件の資料などはあるでしょう。いい加減な会社でもファイルサーバーやオフィス内の棚、あるいは上司や先輩のデスクなど、どこかしらに放り込んであるものです。

こういう過去の事例は先人の知識なので、巨人と言うほどでなくても使う価値があります。

またどこの会社に行っても、会社として使いまわしているテンプレートはよくあります。これもまた先人たちが作った知的資産ですので、活用しましょう。

参考資料として使えそうな資料やテンプレートは使えるだけ使いましょう。そのまま使えなくても、カスタマイズして使いましょう。

人一人の知識はたかがしれていますが、先人たちの知識を活用できれば、できることは広がります。

インプットなくしてアウトプットなしと知る

何かしら成果物をアウトプットするためにはインプットが必要です。それが先ほどまで書いてきた情報や知識や資料です。これらがあってこそ仕事でアウトプットすなわち成果物の作成や決めるという仕事ができます。

アウトプットするための知識や発想力に長けている人というと、クリエイターが思い浮かぶでしょう。しかしクリエイターのような発想力や創造力を仕事にしている人たちこそ、インプットの重要性をよく知っています。

プロのクリエイターが書いた本にはインプットや思考法の重要性が書かれています。クリエイターというと生まれ持ったセンスで仕事をしているイメージですが、実は違うのです。

日本でトップクラスのデザイナーでも、センスとは知識の活用だと言う人がいます。

アウトプットのためにインプットすることがクリエイティビティにつながるという記事も書いていますので、インプットとアウトプットについて知りたい場合は参考にしてみてください。

断言できない場合は宿題にする

安易に回答して間違うと後で面倒

他社(顧客や協力会社)や他部署、他チームとの打ち合わせの場で質問されたときに、断言できないけど多分こうだと思うということがあります。こういうときは宿題にした方がよいです。

マネージャーがこうだと言えば、チームとしてこうだと言っているのに等しいという受け取られ方をします。他社に対してマネージャーが言ったことは、会社の決定事項として受け取られます。

よって多分こうだと思うで返事をして、もし間違っていた場合、気まずいことになります。1度くらいならいいですが、何度も繰り返すと適当に答える人というイメージを持たれてしまいます。

場合によっては。いい加減なことばかり言って信用できない人というイメージを持たれる可能性もあります。そうなるととてもまずいことになります。

よって他社や他部署、他チームなどが相手の場合、安易に回答をしない方がいいです。

宿題にして、こうだと断言できるまで調べるなり確認するなりしてから回答しましょう。人は間違うことがあると言えど、間違いを修正することには厄介がつきまとうのです。

安易な約束もしないこと

質問に対して安易に回答しないことは勿論ですが、安易に約束しないことも重要です。たぶんできるだろうで約束して、やっぱりできませんでしたでは、仕事がしっかりできない人という印象を持たれます。

回答にせよ約束にせよ、後でひっくり返すのは厄介ですので、最初から適当な回答や約束はしないように気を付けましょう。

できない約束をしないという話については、こちらに詳細な記事を書いています。参考にしてみてください。

終わりに

今回は私が初めてプロジェクトマネージャーになったときに困ったことを基に解説しました。

私も初めてプロジェクト全体のマネジメントをすることになったときは、次のようなことに困ったものです。

  • 担当するシステムの全体像が解らない
  • 業務知識を知らない
  • 決めることが多いけど何を基準に決めればいいのか解らない
  • 質問に対してその場で答えられない

これらに対して、後で解ったことや経験を積んで解ったことを今回の記事で解説しました。

マネジメント初心者の方に参考になれば幸いです。

またマネジメントの勉強をしようと思えば、書籍はいくらでもあります。マネジメントに必要な知識を広く手に入れたいなら専門誌もいいでしょう。私はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューを定期購読しています。

https://dhbr.diamond.jp/

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