根性論で仕事の質は上がらない!根性論より人を大切にするマネジメントをしよう

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根性論より人を大切にするマネジメント

仕事の世界には根性論が溢れています。諸説ありますが、第二次世界大戦時の旧日本軍の根性論重視のマネジメントが一般企業に普及したからという話もあります。

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仕事なんてそんなもの、仕事は理不尽に耐えるものと思うかもしれません。しかし私は違う考えです。根性論で仕事はよくなりません。根性論ではなく、人を大切にするマネジメントが必要です。

今回は根性論のマネジメントがもたらす弊害と、人を大切にするマネジメントについて書きます。保守的あるいは伝統的な組織のマネージャー、新人マネージャーなどに参考にしていただければ幸いです。

根性論のマネジメント

やらせではダメ!

発破をかけて仕事の進捗を上げさせようとするマネージャーがいます。割といるのかもしれません。

勉強しない子どもに親が勉強しなさいと怒っても勉強しません。これと同じで、大人だってやれと言われて喜んでやる人はいません。会社では大人だから嫌々ながらもお金のために仕方なくやるのです。

また高いノルマを課すことでやらざるを得なくする会社は少なくないでしょう。上層部はノルマを課せば無理してでもやると思っているのかもしれません。自分たちが若い頃はこれが普通だったからなんて考えているかもしれません。

この記事を書いている少し前に、ビッグモーターが過剰なノルマを従業員に課して、従業員が不正を働いていたというニュースが出ました。

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ビッグモーターは高いノルマを課し、成果に応じた給料を払うことで、異常なまでの高年収を実現していました。平均年収1,100万円は異常な高さです。

この金額につられて入社したがる人は沢山いるでしょう。そして多くの労働者は評価に納得がいっていない(自分の評価が低いという人は2/3くらいいるそうです)ので、成果を出せば給料が上がるとなれば、明確で嬉しいでしょう。

ところがノルマが異常であり、ノルマの設定が適さない修理業務にまでノルマを適用していました。高いノルマと高い給料をぶら下げても、それが過剰であれば、不正な方法で実現するしかなくなってしまいます。

ビッグモーターのニュースでは当時の副社長のパワハラも問題視されています。過剰なノルマを発破をかけて実現させようとしても、上手くいかないのです。それにも関わらず発破をかけてやらせれば、従業員は不正に手を出すことでしかノルマを実現できなくなるのです。

罰則は上手くいかない

私がまだ駆け出しの頃、あるシステム開発会社の取締役がとんでもないことを言っていました。なんと不具合が出たらレビューとテストを全てやり直しにしているというのです。

そしてその取締役は、「ペナルティを厳しくしているのになぜみんな不具合を出すのか解らない」と首をかしげて不思議がっていました。

ハッキリ言ってありえません。ペナルティを厳しくしたところで不具合はなくなりません。不具合は根性論で見つかるものではなく、知識や経験、様々な観点の検討が必要です。出したくて不具合を出しているわけでも、怠けているから不具合が出るわけでもないのです。

また人間のやることに絶対はなく、罰則で0にすることはできません。ミスを前提にリカバリーする仕組みが必要です。

罰則を厳しくすることで不具合やミスを防止しようとすると、従業員はモチベーションを失います。そして罰則を避けるために隠蔽するようになります。不具合を隠蔽すれば、後で明るみになったときに大事になります。

罰則で不具合をやミスを防止しようとすることは、問題の隠蔽を促進することなのです。むしろ不具合やミスは早く見つけて早く共有し、早く対策することが大事です。

叱責に依存する

何かトラブルがあると叱責する管理職がよくいます。普通のことかもしれませんし、問題があれば叱責し、叱責によって人を育てるのが社会人の常識でしょう。

しかし私は子どもの頃から親から厳しく叱責されて育った経験から、これは違うと考えています。叱責されずに育った人の方が自己肯定感が圧倒的に高く、自分に自信があるのです。

仕事においても叱責では効果がないことが心理学の研究から解ってきています。

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叱責されるとストレスが溜まります。実は闘争・逃走モードに切り替わるからです。これでは対立になってしまいます。

メンバーが思うように動いてくれないとか、メンバーが同じミスを繰り返すということはありがちです。しかしその度に叱責していては、メンバーはモチベーションをなくしてしまいます。そして叱責を繰り返すたびに関係が悪化していきます。

叱責を多用するマネージャーは自分をコントロールできていない未熟者というのが私の考えです。そういうマネージャーはEQが低いだけです。決してやる気があるから発破をかけて叱責するのではないのです。自分に酔っているだけです。

残業が全てを解消することはない

残業すれば何とかなると考えている会社は沢山あるでしょう。まるで残業が万能な手段であり、狼人間を撃つ銀の弾丸と思われているかのようです。

これが酷くなると、終電や休日出勤、ときには徹夜で解決しようとします。上手くいっていないシステム開発プロジェクトなどは特にこれらが常套手段と化しており、必殺技と考えている人もいるようです。

私はこのブログで何度も書いていますが、残業が多いのはマネジメントに問題があります。残業すればするほど偉いわけでも頑張っているわけでもないのです。残業すればなんでも解決できるのではないのです。

人を大切にするマネジメント

作業の意味や目的を説明しよう

根性論のマネジメントの問題点について書いたところで、今度は根性論とは逆の人を大切にするマネジメントについて書きます。

まずは作業の意味や目的を説明することです。「そんなことが大事なの?」とか「仕事だからやれじゃないの?」と思う方は少なくないでしょう。

しかし逆の立場で考えてみてください。「あなたは言われたことだけやっていればいいです」や「仕事なんだからつべこべ言わずやれよ」でモチベーションが上がりますか?私は上がりません。

物理的にはあなたや私と、あなたや私が仕事を依頼する相手は、上司と部下あるいはマネージャーとメンバーという関係です。しかし心理的には同志にできるのです。

この仕事は何を目指していて(顧客の○○という課題を解決したい、世の中のこういう課題を解決できる製品・サービスを開発したい)、その一環としてこういう機能の開発や資料の作成が必要というように、依頼する作業の意味や目的を説明しましょう。

そうすれば一緒に同じゴールを目指す仲間というイメージを与えられます。仕事だからやれではなく、メンバーに協力してもらっているという意識を忘れないことです。マネージャー一人で全ての仕事をこなすことは不可能ですから。

こういう心理的安全性の確保に気を使いましょう。モチベーションは脅しではなく、コミュニケーションによって上がるのです。

心理的安全性についてはこちらに詳細な記事を書いていますので、参考にしてみてください。

怒らず一緒に再発防止策を考えよう

叱責の問題点を先ほど書きました。ここでは叱責ではない対処法を書きます。

ストレスは溜まるかもしれませんが、気持ちを抑えてメンバーと話しましょう。認識違いがあった場合は、自分がこう伝えればよかったとか、この言葉はこういう意味で使ったと話しましょう。

メンバーがミスをした場合は、次からどうすれば上手くいくかを一緒に考えましょう。また自分の失敗談も話してみるといいです。マネジメントをやる立場になる頃には、誰しも10個や20個の失敗談を持っているでしょう。

残業をなくそう

世間一般では残業すればするほどやる気も能力もあり、頑張っているとされます。

ハーバード・ビジネス・レビューにも人は沢山残業することを沢山頑張っていると考え、企業は沢山残業している人を高く評価しているという論文が載っていましたので、日本に限った話ではありません。

「多忙」を美徳とする企業文化から抜け出す方法

残業なんて百害あって一利なしです。マネジメントは残業ではなく問題解決力や戦略・戦術が大事です。これらこそが仕事上の問題を解決する手段です。残業はあくまでも定時でどうにもならなかった場合の切り札であり、たまにしか出せない必殺技くらいでいいのです。

終わりに

今回は昔からずっと会社に存在する根性論のマネジメントの問題点について書きました。どんな会社に行っても普通のことでしょうし、このような根性論に耐えられないと社会人としてやっていけないのでしょう。

それでも私は根性論のマネジメントに反対します。私自身が根性論を否定し、戦略と戦術を重んじて協力関係を築くマネジメント実践したら、色々な人に助けられ、毎日のように定時帰りできたからです。

これができずにケンカばかりして、責任の押し付け合いをして、残業を沢山しているプロジェクトが沢山あります。みなさんだったらどちらがいいマネジメントで、どちらのプロジェクトで仕事したいですか?

だから私はこれからも根性論や残業を否定し、戦略・戦術、知識、協力関係を重んじるマネジメントについて書いていきます。

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