投資対効果を計算しよう|回収期間法の練習問題とExcelでの計算例

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投資対効果の計算

今回は回収期間法の練習問題を出します。解説にはExcelでの計算例も付けます。

計算方法についてはこちらを参照してください。

それでは練習問題に移りましょう。

練習問題

練習問題1

A社は5,000万円の設備投資を行う予定です。投資資金は全額自己資金です。5年間のキャッシュフローの見込みは下記の表のようになると予測しています。

1年後2年後3年後4年後5年後
キャッシュフロー8001,2001,5001,6001,600
A社の設備投資によるキャッシュフロー見込み

この投資の回収期間を計算してください。小数点以下は第4位を四捨五入してください。

練習問題2

B社は5,000万円の設備投資を全額借入により行う予定です。新設備は耐用年数5年で、定額法により減価償却します。法人税率は40%とします。

新設備を導入後の売上とコストは下記の表のようになる見込みです。

1年後2年後3年後4年後5年後
売上1,2001,8002,2002,4002,600
コスト8009001,0001,0001,000
B社の設備投資による売上とコストの見込み

この投資の回収期間を計算してください。 小数点以下は第4位を四捨五入してください。

練習問題3

C社は5,000万円の設備投資を全額借入により行う予定です。新設備は耐用年数5年で、定額法により減価償却します。法人税率は40%とします。

新設備を導入後の営業利益は下記の表のようになる見込みです。

1年後2年後3年後4年後5年後
営業利益2006001,0001,2001,200
C社の設備投資による営業利益見込み

この投資の回収期間を計算してください。 小数点以下は第4位を四捨五入してください。

練習問題の解答と解説

練習問題1の解答と解説

練習問題1はキャッシュフローが解っているので、そのまま計算するだけです。4年目に回収が終わるため、回収期間は3年超4年以下となります。

1年後2年後3年後4年後5年後
キャッシュフロー8001,2001,5001,6001,600
回収残高4,2003,0001,50000
A社の設備投資における回収期間の計算

回収期間 = 3 + 1,500 / 1,600 = 3.938(年)

Excelでの計算例は下記です。

回収期間法練習問題1のExcel計算例
回収期間法の練習問題1をExcelで計算した例です。Excelを使うのが手っ取り早いです。

練習問題2の解答と解説

練習問題2は売上とコストからキャッシュフローを計算する必要があります。また減価償却費によるタックスシールドを計算する必要があります。

1年後2年後3年後4年後5年後
売上1,2001,8002,2002,4002,600
コスト8009001,0001,0001,000
税引前利益4009001,2001,4001,600
税引後利益240540720840960
タックスシールド400400400400400
キャッシュフロー6409401,1201,2401,360
回収残高4,3603,4202,3001,0600
B社の設備投資における回収期間の計算

キャッシュフローは手元に入るお金ですので、税金を払った後に残ったお金となります。よって利益を計算して税金を引く必要があります。

また減価償却費は実費を伴わないコストであるため、税額分だけ出ていくお金を減らすことができます。出ていくお金が減るので、言い換えると手元に残るお金が増えます。よってキャッシュフローが増えます。

5年目に回収が終わるため、回収期間は4年超5年以下となります。

回収期間 = 4 + 1,060 / 1,360 = 4.779(年)

Excelでの計算例は下記です。

回収期間法練習問題2のExcel計算例
回収期間法の練習問題2をExcelで計算した例です。法人税率とタックスシールドに気を付けましょう。

練習問題3の解答と解説

練習問題3は営業利益が提示されています。営業利益は減価償却費を引いた後の値ですので、キャッシュフローに減価償却費をプラスする必要があります。

1年後2年後3年後4年後5年後
営業利益2006001,0001,2001,200
税引後営業利益120360600720720
減価償却費1,0001,0001,0001,0001,000
キャッシュフロー1,1201,3601,6001,7201,720
回収残高3,8802,52092000
C社の設備投資における回収期間の計算

4年目に回収が終わるため、回収期間は3年超4年以下となります。

回収期間 = 3 + 920 / 1,720 = 3.535(年)

Excelでの計算例は下記です。

回収期間法練習問題3のExcel計算例
回収期間法の練習問題3をExcelで計算した例です。営業利益に減価償却費が含まれていることに気を付けましょう。法人税率も見落とさないように。

さらなる練習問題

もっと練習問題を解きたいという方は、新たな練習問題を作りましたので、やってみてください。

終わりに

何度も書いていますが、会計は慣れが大事です。難しく考えるよりも手を動かしましょう。

会計の勉強は覚えることが多くて大変ですが、数学のように何度も手を動かして練習するのがよいです。要点だけ身に付けて効率良く学習するなら、簿記などの資格という手もあります。

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