嫌いな上司を反面教師にしてマネジメントスキルをアップしよう

最終更新日

嫌いな上司を反面教師にして学ぼう

職場の人間関係には悩みが多いそうです。離職理由の1位は長年に渡り人間関係だそうです。私もすべての人と仲良くできるわけではありません。どうしても人間には相性がありますし、中には性格の悪い人もいます。特に上司との相性は悩ましい問題のようです。

転職理由と退職理由の本音ランキングBest10

離職の原因TOP3!特に気をつけたい若者・新卒の離職理由も詳しく解説

従業員は仕事内容に惹かれて入社し、上司が嫌いになって退職するという格言をハーバード・ビジネス・レビューで読んだことがあります。上司との相性や上司の性格は離職率に影響します。

試しに「上司 嫌い」で検索してみたところ、ゴロゴロと記事が出てきました。上司との関係性は悩ましい問題のようです。

しかし嫌いな上司には嫌いな要素があるはずです。そして嫌いな要素を分析すれば、自分がマネジメントで何を意識したらよいかが見えてくるはずです。嫌いな上司は反面教師としてマネジメントの教材になるのです。

私自身もこのマネージャーはおかしいだろ!という体験を何度かしていますし、そもそも残業賛美やステークホルダーとの対立のような世間一般のマネジメントに疑問を抱いて、自分なりに正しいマネジメントを追求しています。

今回は上司が嫌いという方や、嫌いな上司に当たった経験があるという方のために、嫌いな上司を反面教師にしてマネジメント力を上げることについて、私の体験も含めて解説します。

反面教師がマネジメントに有効な理由

比較してみれば人間面の重要さが解る

反面教師はマネジメント力の向上にとても有効ですので、積極的に活用してください。思い出すだけで腹が立ってしまうかもしれませんが、腹が立つほどだからこそ、大事なことなのです。

例えばスキルが同じ二人のマネージャーがいるとします。

片方は人としてどうなの?というくらい性格が悪くて腹立たしい人です。威張る、人のせいにする、嘘をつく、保身に走る、自慢するなどは当たり前だとします。もう片方は人柄のいい上司です。

どちらの上司の元で仕事をしたいですか?私だったら後者です。スキルが同じならあえて腹が立つ人を選ぶ理由がありません。それに私は性格が悪い人はたとえスキルが高くても嫌いです。

ちなみに人柄が良くても仕事ができない上司だったら困ります。かといって仕事ができても性格が悪い上司ではストレスが溜まってしょうがないでしょう。そんな上司の元にいる従業員の離職率はきっと高いです。

自分が嫌だったことをしないマネージャーになろう

私が言いたいことは、「己の欲せざるところ、人に施すことなかれ」です。マネジメントをやる上でとても大事なことなので覚えておいてください。仕事だからではありません。仕事以前に人対人のやり取りがマネジメントです。まず人として問題があることをしないことです。

自分は理不尽な目に遭ったから後輩や部下も理不尽な目に遭えという考えは、ありがちなのでしょうけど、違うと私は考えています。自分が理不尽な目に遭ったのなら、後輩や部下が理不尽な目に遭わないよう気を付けましょう。

これだけであなたは十分に人格者になれます。後輩や部下が協力してくれることも増えるでしょう。

仕事だからやれではなく、人対人の対応に気を遣うということについては、過去にも記事を書いています。ぜひ読んでみてください。

嫌いな上司のイケてないところを分析する

離職理由の1位に長年に渡って人間関係が上がってくることからも、どうしても嫌いな人は職場にいるものです。そして上司に対する不満も昔から飲み会の定番の愚痴であり、上司に不満を感じて離職する人も少なくないでしょう。

冒頭でも従業員は上司が原因で会社を去るという格言を紹介しました。

かといって不満を感じているだけでは何も進まないので、嫌いな上司のどういうところが不満なのか分析してみましょう。腹が立つから思い出したくもないと感じるかもしれません。それでも学べることはきっとあるはずです。

嫌いになるほど不満を感じるのであれば、こういうところがダメ、自分はこういうことは絶対やらないというものが少なからずあるはずです。

嫉妬に該当するもの、例えば大した仕事してないのに給料が高いとか、社内政治で地位を確立しているなどは除きましょう。こういうものも少なからず存在するのが会社という場所ですが、今回は自分の学びが焦点ですので、除いておきましょう。

分析結果を自分のマネジメントに反映する

嫌いな上司を分析したら、自分のマネジメントに反映しましょう。

例えば残業賛美をしている上司が嫌いなら、効率化して残業を減らしましょう。

ハッキリしない上司が嫌いなら、明確に決めること・答えることを大事にしましょう。

パワハラやモラハラ、セクハラなどハラスメントを平気でする上司なら、自分がそういうことをしないように気を付けましょう。

マネジメントでも習慣は大事です。人への接し方は習慣ですので、自然とできるようになるまで何度も意識して繰り返しましょう。

ちなみに嫌いなことや腹が立つことには自分の強みが隠れているそうです。「自分」を殺すな、武器にしろという本に書かれています。

「自分」を殺すな、武器にしろ [ 瀬戸和信 ]

「自分」を殺すな、武器にしろのレビューはnoteに書いています。タイトルは過激ですが、自分の強みを知り、部下や後輩を活かすという点でお勧めの本です。

「自分を殺すな、武器にしろ」読了!短所より長所に目を向けよう

コミュニケーション力も大事

嫌いな上司、腹立たしい上司を反面教師にして学ぶということは、人への接し方やコミュニケーションを学ぶということでもあります。より良い人間関係を築いて、より良い仕事を目指して行くということです。

マネジメントは人対人のやり取りが沢山ありますので、コミュニケーションの勉強も有効です。

私が反面教師にした例

若手への丸投げ

ここからは私がこんなのおかしい!と感じて反面教師にした例を紹介していきます。

まずは若手への丸投げです。これこそやっちゃいけないことですね。

こちらにサービス残業を200時間やって残業が大嫌いになったという記事を書きました。このプロジェクトではプロジェクトマネージャーの管理職が、新卒4~5年程度の若手に進捗管理を丸投げしていました。

当たり前ですが新卒4~5年程度で進捗管理と社内の人との調整だけとはいえマネジメントなんてできません。権限委譲が大事とはいいますが、委譲と丸投げは違います。

この場合は委譲のやり方がおかしかったのです。メンバーに仕事を委譲するときは、できる/できないの考慮と説明すべきことの説明は必須です。そして後からのフォローも欠かしてはいけません。

委譲についてはこちらにも書いていますので、参考にしてください。

マイクロマネジメント

マイクロマネジメントでモチベーションは出ない

昔関わったプロジェクトに、1時間ごとに作業の進捗を確認するマネージャーがいました。それだけでなく作業手順や作業内容を細かく指示し、守らないと説教をする人でした。

こういう人はいるところにはよくいます。昭和の時代は割と普通だったのでしょうし、体質的に古い会社にはこういう人が割と居座っています。

言われたことだけやっていろ、やり方は指示通りに忠実にしろという考えは、私にとってはとてもバカバカしいです。そんなマイクロマネジメントでモチベーションなど出ません。人をコストとみなす典型例でしょう。

信じて任せるのが今の時代のマネジメント

私の場合、趣味のコミュニティに学生時代から所属してきたというのもあって、教えることや相手の自由を尊重することを大事にしています。こういう点で企業社会では意見が合わないこともよくあります。

しかし昨今のマネジメントの論文を読んでいれば、メンバーを信じて任せることの方がよいという流れになっています。マネジメントの論文では、メンバーに指示命令を出して、メンバーをコストとみなして、メンバーを管理監督するという考えは古いものとなっています。

この記事を書いている1か月少々前に発売されたDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューでも、メンバーをコストとして管理するのではなく、資産として活かすという特集が組まれました。

2023年5月号|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 変わる人材マネジメント

また信じて任せるマネジメントという観点では、大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメントという本もあります。たとえ経験の浅い若手であっても、信じて任せるんだよと書かれています。

大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント【電子書籍】[ 白鳥 美子 ]

私はマイクロマネジメントを体験したこと、自分自身が趣味のコミュニティで自由を尊重して生きてきたことから、信じて任せるマネジメントをすることにしています。

他責

昔の会社に、何か問題があるとすぐに誰かを説教する管理職がいました。まぁこんな管理職はどこにでもいるんでしょうけど。先進的な会社や、自律した人が集まる会社でなければありがちな話なのでしょう。

でも調べると説教した管理職本人のミスだったりしました。自分のミスを棚に上げて誰かのせいにするなんて最低ですね。まず他人を疑うという姿勢が私には信じられません。

ましてや思い付きで決めているのですからたちが悪いです。いわゆる自覚がない系です。

こんな管理職はどこの職場でもいるのでしょうし、この記事を読んでいるみなさんの中にも、こういう管理職に振り回された経験がある方も少なからずいらっしゃるのでしょう。

責任転嫁や思い込みは私は大嫌いなのですが、やってはいけないとこの管理職を見て痛感しました。

ちなみに思い込みはいけないと言えど人間にはバイアスがあります。だからこそマネージャーは勉強を怠ってはいけません。知識を身に付け、原理原則で客観的に捉え、想像力を働かせて他人の立場で考えるのです。

そのためにも勉強と知識が必要です。そんな記事も書いていますので、参考にしてみてください。

長時間の説教

長時間の説教と長時間の残業は自己満足だ

昔いた会社に、ことあるごとに説教を始める管理職がいました。こんな管理職はどんな会社にもゴロゴロいそうですし、それこそ昭和時代なんて説教して言い聞かせることが普通だったでしょう。

この管理職は同じ内容を延々と繰り返し、何度もループして1時間も続ける人でした。いつも貧乏ゆすりしている人で、本人曰くゴミの分別ができないとのことでしたので、だらしなくて説教される社会人人生だったのでしょう。それゆえ説教するのが当たり前と考えていたと想像しています。

しかし同じ内容を1時間もループして説教しても、自己満足と被害妄想でしかありません。ハッキリ言って時間の無駄です。仕事を進めるためにもっとやるべきことはあり、時間を消費してまでメンバーのモチベーションを下げてまで自己満足を追求しても、デメリットばかりで何のメリットもありません。

ちなみにこの管理職は終電退社の常習犯で、休日出勤もよくありました。残業が多いのが当たり前、残業80時間程度なんて甘えているほど少ない、今の時代は残業100時間以内で済むほど甘くなった、俺は300時間は残業したことがあるなどと言う人でした。

バブルまではそういうものだったのでしょうけど、21世紀になってまでこれはイケてませんね。

ちなみにものすごくこの管理職を否定的に書いていますが、成果を納めればありがとうと言う人でした。つまり典型的な昭和の上司だったわけですね。ありがとうと言う部分は真似させていただいていますが、他は反面教師にしています。

他責や無駄な説教は止めて人としてどうあるべきか考える

この管理職から学んだこととして、問題が起きたときは自分にも落ち度がないか考えること、そして無駄なことでメンバーのモチベーションを下げないことを大事にすることが挙げられます。

何でもかんでも人のせいすれば、自分は常に正しい人でいられます。管理職でもプロジェクトマネージャーでも、マネージャーが権限を悪用すればそういうこともできてしまいます。だからこそ人としてどうなのか?を考えないといけません。

また残業すればするほど偉いではありません。残業を当たり前と思っているからこそ、長時間の説教のような無駄なことも平然とできるのです。これでは生産性は上がりません。

残業すればするほど偉いのではないという記事も書いていますので、参考にしてみてください。

終わりに

上司が嫌い、上司に腹が立つという人はきっと少なくないでしょう。嫌な上司やプロジェクトマネージャーに当たったことがある人もきっといるでしょう。

だからこそそういう人たちの問題点をよく分析して、反面教師にして、自分は絶対にやらないようにすることが大事です。そして良いマネジメントをして、ステークホルダーを味方に付けて、良い仕事をしていきましょう!

シェアする